後日談 おまけ36
ミリア達は(華の吐き捨て場)の裏通りを歩いていた。
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「きょ………きょうかいなら………ここを左に行った先にあります………」
ミリアにボコボコにされたゴロツキは指を後ろに差し、全身に傷。額からは血を流して答えるのである。その隣にて全身ボロボロ状態で倒れているゴロツキも口を開く。
「その、おかしパーティーも………開かれています。奴等は1日も、ガキ共にお菓子をあげたり、勉強を………教えたり、しています………」
「ありがとうございます………」
ミリアは笑顔で言った。ミリアにボコボコにされたゴロツキ達は蜘蛛の子散らすように………引きつった愛想笑いを吐いて立ち去っていく。
これを機会に、彼等にはしっかりと更生して社会活動を送れるように祈るのである。
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───そのやり取りがあったのは、僅か十数分前である。これまで何度も鉄火場を経験し、乗り越えている為、剣術だけでなく格闘術も強い。
ミリアは皆に向かい、笑顔で言う。
「皆さん、気を取り直していきましょう」
喧嘩後のミリアの笑顔。そのギャップにアンゼシカ(真美)は困惑して(はははは………)と、頬をボリボリと掻いて愛想笑い。
そして私達は向かうのである………その例の(お菓子パーティー)とやらに………色々と匂う予感がするからだ。
しばらく歩いていたら教会前にたどり着く。
その教会はこの地区に住むあらゆる人々の憩いの場である………。日々、礼拝堂にて神父の説教を聞いて神様に祈り、シスターの聖歌隊による聖歌を聞いたりして、祈るのである。生活を、人生を、幸福を………腹は膨れないが、何もしないよりマシである。
ミリア達は教会の中に入る………そして一番後ろの横長のイスに座り、気配を消して見学。
中には子供達が集まり、授業中だ。子供の大半は親無し、片親、様々な家庭環境であり、服装はみずほらしい。礼拝堂にて、またしてもマイキー公国共産主義の人達が教壇に立ち、学問を説く。口調は演説するより親しく、子供達に学問を指南する教師のように………。
子供達は活き活きと手を上げ、解らない事があれば聞き、その質問を共産主義の男性教師は親切に答える。解らない事があり、それを教えて知る事がこの授業の醍醐味であり………楽しいのか、子供達の笑い声が響き渡る。
それから40分後………。
「せんせい、授業を開いて頂いてありがとうございましたっ」
子供達は席から立ち上がり、挨拶する。
「はい、みんなありがとうね。さて、みんなの大好きなお菓子があるよぉ~~~」
共産主義の男性教師はお菓子、パン、様々な食糧が入った大きなカゴを出した。子供達はカゴから食糧を持って帰る。これが、今のところ毎日ある。




