後日談 おまけ34
それから………ミリアの指揮下にて冒険者ギルド、マイキー公国軍、そしてクロフォード王国駐留軍の3組織で構成された公安部隊が調査を開始した。
機密調査開始から、数日が経過した。
彼等が実施する集会、演説、様々な講演会などに囮参加者として潜入捜査をした。しかし………どれも法に触れるような物騒かつ怪しい活動も見当たらず、だけど相変わらずの公国の政治体勢、文化、宗教などの批判や貧富の資本概念を捨て、財産思考の放棄や平等社会、共産主義の主張などを苛烈にしていたらしい。
★★★★★★
───場所は公国の首都ミゲールにある駐屯地の施設。廊下を歩き進んで応接室に入り、公安部隊の兵士がビシっと敬礼してミリアに状況を報告する。
「ミリア様、このような集会が東地区の教会にて開かれていたのですが………」
「何か分かったの?」
ミリアは兵士の報告に耳を傾ける。公安兵士はミリアが腰掛ける机に駆け寄り。
「それがですね…………」
公安兵士は説明する………。
───その兵士は気になる出来事を発見した。場所は町にある教会、それは子供向けの彼等の集会である。彼等は何日か続け、(お菓子パーティー)という名目で貧富の差から、教育や学問に恵まれない子供達を集め、お菓子や食糧、衣類を与える慈善活動などを実施していた。貧困層の人々からはありがたい光景であり、食糧を与えられ、ロクに知識がない貧困層の子供達に学問を学ばせる機会を与えてくれるからだ。
兵士の説明は以上だ………。
「子供向けのお菓子パーティーですか?………」
ミリアは腕を組み考える。
傍から見たら良い絵である。しかし………その光景を思い浮かべたらノドに引っ掛かるように何処か違和感が拭いきれない。思い浮かぶのはお菓子や食糧を与え、そして知識を学ばせる。共産主義の人達による優しい笑顔、そして活き活きとした子供達。
施設の応接室にて、アンゼシカ(真美)と絵葉は公安兵士の説明を聞いて。
「アレですか?よくある本当は善人の皮を被った何かじゃないですか?」
絵葉は言う。よく、アニメやマンガ、ゲームによくあるアレだ。優しい善人だと思ったら自身の私腹や地位、富を得る為に人を利用する極悪人だったのはよくある設定だ。
「アナタは少し、静かにしなさい」
しぃ~〜と、人差し指を口元に出して注意するアンゼシカ(真美)。これは真面目な場面だから………。
はむ………。
「コラ、しゃぶらないっ」
パクッ………と、絵葉に人差し指を口に入れられるアンゼシカ(真美)。ハムハム……ちゅぷちゅぷちゅぷと………絵葉はなかなか放してくれない。
お前は猫か?と、ツッコミたい。




