後日談 おまけ32
───その演説に、人々は足を止めない。まるで見えていないかのように………。何故なら彼等は国民から見たら異端の集まり、相手をしても腹が減るだけで満腹したりはしない。
リーダー各の男性は拳を突き立て、怒号の如く訴える。
「マイキー公国の今の政治体勢は間違ってるっ!!」
男性の主張に、他の団員も拳を突き立て、続けて主張する。
「公国一強体勢による支配を脱し、資本格差を無くして共に平等にした社会にすべきだっ!!」
「マイキー公国は、共産による国にすべきだ。民による選択が国を動かし、誰もがチャンスを受ける世界をっ!!」
「我々はマイキー公国共産主義。誰もがチャンスが与えられる世界を、私達で国を変えてみませんか?」
首都ミゲールの中央広場にて、気持ち悪いほどの純白スーツを着用した団体。主に40代から50代の中肉中背の男性達が、無視されながはも広場を行き交う人々に手を振り、演説していた。
アンゼシカ(真美)は団体を見て思う。宗教団体か?現実世界ではたまに見た程度、見ていて面倒くさいから。足を止めたら興味の無い話をされたり、神書を渡して来たり、最悪な場合は(これを買わないと地獄に墜ちる)などと高額な商品を買わせる霊感商法するので、どちらかと苦手だ。
「アレは?」
アンゼシカ(真美)は奴らを見て尋ねてみる。
「アレは………いつもの人達です」
「いつもの人達?」
ミリアは説明を始める。
「マイキー公国共産主義の人達です。この国は国王陛下制で国を運営しているのですけど、貧富の格差があって、それが原因で出来た団体です」
ミリアは言った。
「いわゆる革新派の考えを持った団体というべきかい?」
アンゼシカ(真美)は言う。ある意味、宗教的なグループか?。ま、面倒くさい奴等と変わりない。
「はい。言うまでもなくこーゆー革新派の団体は、ここで演説をすれば公国の公安部隊の兵士達によって追い出されるのです」
ミリアは言う。何故なら革新派の演説は、公国を運営する陛下によっては目障りであるからだ。
───数十分後。
「貴様ら、この異端者共がっ!!」
広場には、マイキー公国の公安部隊が駆け付け、あっという間に革新派グループはつまみ出された。
★★★★★★
「ミリアさんと良い勝負です。お下品なあの服装が………」
「うるさいです」
絵葉の余計なセリフにミリアはピクリ。それにより、またふたりに嫌な雰囲気になる。
「またアンタは………そんな事を言わないの。仲良くね?」
絵葉に注意し、アンゼシカ(真美)はミリアを落ち着かせる。
気になる事がある………この所、町中に彼らの演説が多い。奴等は集会、演説、そしてあらゆる講演会を開いている。国民から見て、変な団体である。




