後日談 おまけ28
2人は後ろにジャンプし、体勢を整える。それにより巨大ワームの突撃を回避している。
「何度でも言いますっ。お花畑な歴史しか知らないから、そんな事でしか人を評価出来ないですねっ」
ミリアは言った。すると同じく体勢を整えた絵葉も拳を握り締めて対抗し、発言。
「一度までも二度までも………この悪役、お下劣女王っ!!」
2人が口喧嘩を披露している同時に巨大ワームが地面から姿を現し、触手をウネウネさせた大きな口を開いた状態でミリアを先に仕掛ける。
「このお花畑っ!!」
バックステップで回避………そして回避するタイミングにてミリアはロングソードを振るい、巨大ワームの腹部に3発の斬撃を与える。
斬撃を貰い、巨大ワームは悲痛な咆哮を響かせてグラついて今度は絵葉に傾き掛ける。
「お下劣女王っ」
絵葉は発言しながらも詠唱陣を出現させ、麻痺の魔導術で巨大ワームの身動きを封じる。巨大ワームは大きな口から触手をウネウネさせ、パキパキとした茶色い肌をテカテカさせて全身を震わせる。
さらに2人は口喧嘩しながらも巨大ワームを圧倒し………。
(口喧嘩するか、戦うかどっちかにしなさいよ………)
アンゼシカ(真美)は呆れながらその光景を眺める。まるで小学生の口喧嘩か………見ていてため息しかない。ある意味、見ていたらおもしろく、そして最後は投げかける言葉のネタが尽きてしまう。
───そして2人は巨大ワームの身体に乗り、対峙。
「お下劣、脳筋、悪役令嬢っ」
絵葉は発言。
(いや、悪役令嬢はここにいるんだけど?元だけど………)
絵葉のセリフの一つにアンゼシカ(真美)は思わず心の中でツッコむのである。
「能天気、変人、お花畑っ」
ミリアは発言する。
「なにをぉ〜~~ッ!!」
ミリアの言葉に、絵葉は憤る。絵葉もだが、ミリアも何故か同じレベルにしか見えなくなってきた。
巨大ワームの身体に乗り、まだ同じような言葉を言い合い、そして………。
「ハァ………ハァ………ハァ………」
ミリアと絵葉は地面に降り立ち、息を吐いて対峙していた。悪口、激しい口喧嘩に疲れ、額からは汗を流していた。
結果は引き分け、そしてついでに巨大ワームは撃破され、地面に倒れて伏せていた。全身には剣傷が刻まれ、微動だにしない。2人は、どうやって最後の一撃を与えたか、分からないだろう。
(口喧嘩しながら討伐するなんて………)
アンゼシカ(真美)は驚愕しつつも、その光景に呆れ果てている。標的を倒したことに気がつかない2人は、未だに睨み合う。
「帰るよ、2人ともぉ~~~ッ!!」
アンゼシカ(真美)は呼び叫ぶ。
「マスク・ド・aさまぁ〜~~ッ!!」
「せんぱぁ~~〜いっ!!」
2人は口喧嘩を中断し、勢いよく抱き着いてきた。
これにて依頼は達成。先行きは分からないが、まだまだ旅は続く。




