第42話 剣を振るう訳?
「君は、何の為に剣を振るうのです?」
(…………)
アンゼシカ(真美)の質問に、ミリアは返す言葉が見つからない。
「君は確かに良い筋はしているし、剣に迷いはない………けど、剣筋に思いが伝わらないかな?」
アンゼシカ(真美)は答えた。少し剣を交えて分かった………思いがない。思いが軽ければ剣技も軽くなる。要するにミリアは剣筋はいいが、肚が据わってない。
「何の為に?………」
ミリアは……まだ言葉。思いが見つからない。何の為に剣を振るうのか、何を目指しているのか………。ただ強くありたい、今はそれだけだ。しかし、自分はどう強くありたいか、考えた事がなかった。
「もう一度、質問する。君は何の為に強くなりたい?」
アンゼシカ(真美)は再び尋ねる。
ミリアは考える………自分が何故、強くなりたいのか。色々な事があり、頭の中は散らかっていて、思いを1つに集中する事が出来ず、ただひたすら強くなりたい。が、浮かんでいた。
「分からないんです………城から追放されて、国から支配されていた人達を知って、生きる為に依頼を受けて皆と戦って………」
ミリアはゴチャゴチャな気持ちになる。色々な事があり、瞳からは涙がポロポロと流れ落ちる。
「焦らなくてもいい………今は理由を見つけられなくても、場数を踏んで見つければいい」
アンゼシカ(真美)は頭をポンポンと優しく叩き、励ます。少し………意地悪だったか。と、申し訳無い気持ちになる。
泣きっ面のミリアに腹の虫。そう言えば、朝から何も食べていない為、あと手合わせにより身体を動かした為、腹が減った。
───〈冒険者ギルド・酒場〉───
その後、2人は酒場にて食事。
「はしたない所、すいませんっ」
ミリアは料理にかぶり付く。ガツガツと口の中に運び、食事に集中し、平らげた料理の皿を1枚、2枚、3枚、4枚と次々と山積みしていていく。
「ミリアさん、あまり急いで食べたら………」
アンゼシカ(真美)は心配な様子。もう少し、女性らしく食べられないものだろうか………。
「すいません………おかわりお願いします」
ミリアは恥ずかしい表情でアンゼシカ(真美)に頼む。
「………どんどん食べなさいな」
アンゼシカ(真美)は景気よく言った。
ミリアを見ていたら、何か前世で生きていた頃の後輩を思い出した………。
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