表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

426/556

後日談 おまけ21




 そして、海上にはクラーケン達の死骸がプカプカと浮かび、潮臭い匂いが海上に充満している。その匂いに引き寄せられるようにバサバサとカモメの群れが広がっている。両断された骸、全身を燃え盛られた骸に氷漬けにされた骸など様々であり、カモメの群れがクラーケンの死骸をクチバシで突いて貪り食う。その数は10体、響き渡るのはプカプカと浮く音、そしてカモメがつつくクチバシの音のみだ………。


───氷の陸地に立ち、ミリアは体勢を整える。


 フゥ………と、ため息を吐き、海上に浮かぶクラーケン達の死骸の景色を眺め、ロングソードを片手で担ぎ上げる………。あれから、彼女が全てのクラーケン達を次々と無双し、海上は墨で黒く染まる。


 撃沈された海上船は3隻、死傷者や行方不明者は数知れず。その光景を見て、乗組員達は歓喜の雄叫び。


「やったぁ!!勝利だっ!!」


 生き残った4隻の海上船から乗組員の声。が、やったのはほとんどミリアだか。


 しかし、ミリアは(何か)を勘づいた様子を浮かべ、皆に告げる。

 

「まだです、皆さん」


───すると海上に巨大なブクブク泡が発生し、渦を巻き起こしてその正体が姿を現すのである。


 グヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲッ


 空気を切るような咆哮。正体はまたしてもクラーケン、とはいってもボスのようだ。通常のクラーケンの体長、はるか5倍の大きさを誇っている。まるで海上に突如として出現した火山のような赤、真紅クリムゾンの色だ。


 クラクラと………氷の陸地を揺らす波。そしてロングソードを片手で担ぎ上げるミリアはその光景に恐れを見せず、冷静な様子でボスクラーケンを睨みつける。


「このクラーケンが他のクラーケン達を統率していたのね………」


 後ろには海上船。ミリアは振り向き。


「皆さんは後方から無理しない程度に私の支援をお願いいたしますねっ」


 と、後方の海上船に命令するミリア。ミリアの命令に、乗組員達は「了解、女王陛下イエス・ユア・プリンセスッ!!」と、一斉にボスクラーケンに照準を定め、大砲を用意する。


 グヲヲヲヲヲヲヲヲヲッ


 ボスクラーケンは怒り狂うような威圧感を漂わせ、派手な波しぶきを海上に発生させて咆哮を発する。


───突風のような咆哮を全身に浴び、ミリアはロングソードを片手で担いで構え、彼女は勇敢な背中姿を後方の海上船に見せつけ、目の前にあるボスクラーケンに挑まんとする。


「この子で………最後よ」


 ミリアはロングソードを片手で構え、ボスクラーケンに向かって氷の陸地をダッシュする。コイツを撃破すれば、南の大陸にある海域全土の治安は保障が保たれる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ