後日談 おまけ20
───氷属性を付与した刃は、振り下ろされるクラーケンの巨大な触手ゲソをスパッと斬り伏せる。ヌメヌメとした触手の表面は普通は斬れない。何故なら氷属性により付与された刃により、振り下ろされる触手ゲソに直撃した瞬間にヌメヌメが氷結し、斬れてしまった。
グ………ヲヲヲヲヲヲヲヲッ!!
しかし、クラーケンは触手ゲソが1本斬れても何ともない。だが、斬られたから激怒。咆哮を響かせ、さらに触手ゲソが海上に伸び、振り下ろされる。
しかし、ミリアは氷属性を付与したロングソードを構える。
「攻撃パターンはそれだけかしら?」
ミリアは不敵かつ退屈な口調で声を漏らす。ロングソードを振るい、氷結斬りで触手ゲソをスパスパと次々に斬り伏せる。
海中に還る触手ゲソ………。
「まずは1体………ね」
ミリアはクラーケンの頭部に跳び乗り、次に刃に雷属性の魔力を付与し、そしてグサッと突き刺し、雷撃を流し込む。
ゴボボボボボボボボボボボッ!!
クラーケンの全身にバチバチと雷流が発生し、絶命した。
「次………」
ミリアは獲物を狙う瞳をキラッと輝かせ、次に出現した2体目のクラーケンを睨み、ジャンプ。
「氷よ、道を作れっ」
空中からミリアは海面に狙いを定め、詠唱。次の瞬間、海面全体は氷結して氷の陸地となる。ミリアは氷の陸地をダッシュし、2体目のクラーケンに向かってダッシュ。
クラーケンはミリアに狙いを定め、墨を吐く。
「甘いっ」
ミリアはロングソードに氷属性の魔力を付与し、振るう。放たれた墨は氷結し、還る。
「せいっ」
ミリアは一蹴。氷属性を付与したロングソードを振るい、氷結斬りでスパッとクラーケンを屠る。氷結斬りで両断されたクラーケンの肉体はブクブクと、海に還る………。
───3体、4体目のクラーケンが海上に出現し………同時に大きな口を開き、浮き氷を飲み込みながら咆哮を響かせる。そして一斉にミリアに狙いを定め、触手ゲソを振り下ろす。
「攻撃パターンが甘いって………全く羨ましくないわね」
ミリアは涼しい姿勢。振り下ろされるクラーケンの触手ゲソを潜り抜け、パチンと指を鳴らす。
ゴボォ………………。
それはまるで爆発を発生させたかのように。クラーケンの全身から氷のトゲ柱が発生し、噴水の如くの黒墨を放ち、絶命した。原因、まずはミリアが出現させた浮き氷が大口を開いたクラーケンの中に込ませ、内部で氷結と、唱えただけ。
ブクブクと………2体のクラーケンは沈没船のように沈み行き、還る。
「さて、まだやるかしら?」
氷の陸地にて、氷のような碧の瞳を光らせたミリアは残りのクラーケン達を睨みつける。クラーケンから見たら、その威圧感はまるで魔王。




