後日談 おまけ17
───そこはいつも拠点にしているアレクサンドル帝国の首都。冒険者ギルドの酒場、ごちゃごちゃと冒険者で賑わう依頼掲示板にて。
絵葉はアンゼシカ(真美)の腕を組み。
「せんぱぁ~~~い。このお花摘みの依頼にしましょ~~~」
求愛するように、絵葉はグイグイと引っ張る。アンゼシカ(真美)は面倒くさいかつ恥ずかしい様子で。
「おい、あまり引っ張るなアンタは………」
出来れば止めて欲しい………何故なら他の冒険者達が物珍しい様子で見ている。彼らの視線が針で刺されるように痛くて、はやく離れたい。
私の名前は中谷絵葉。愛すべきせんぱいの後輩である。何故、私がここに来たのに理由がある。
★★★★★★
「さて、試練は終わったし………」
私は漆黒の闇の中を歩いていた。せんぱいの試練を終え、その指導者としての役目を終えた私はいずれ消滅する………ハズだった………。
───中谷絵葉よ………。
突如として、光の球が出現した。
「アナタは?」と、尋ねる。
君には未練を感じ、現れたのだ。我は尋ねる………君は?………山瀬真美の元に行きた………。
「はいっ」
光の球が最後まで質問をする前に、絵葉は本能的に、かぶり付くようにハッキリと答えた。私はせんぱいの元に行きたいと………(答え)を出す早さに光の球は、呆れつつも少し困惑していたが。
それからは簡単な説明である。私はせんぱいの元に光の球として再び駆け付け、場所は物語の終盤戦だったか。いつかの時間に戻ったかのように、懐かしいノリをかましながらせんぱいを最大限にサポートした。色々と大変だったけど、何故か楽しかった。アレだ、学生時代に戻ったみたいで………。
★★★★★★
掲示板から戻って来たミリアは、違う依頼表を片手で突きだし、訴えける。
「お花摘みなんて、そんなお手洗いみたいな依頼より。砂漠のサンドワームの討伐です。さ、行きましょマスク・ド・a様?」
ミリアは、絵葉が掴んでいるアンゼシカ(真美)の腕とは逆の腕を組み、グイグイと引っ張る。
「ま、お手洗いみたいな依頼って………王国の女王陛下がそんな下品な事を言っても良いんですか?戦い過ぎて、女性としての品格がおかしくなったんですか?」
絵葉はムキになって尋ねる。
「なんて………失礼な。誰が品格のおかしい女性ですか?」
絵葉の言葉に、ムスっと反発するミリア。
(ハァ………賑やか。面倒くさくもあるけど………)
アンゼシカ(真美)は呆れ、2人に引っ張られる。ちなみに、依頼は2つも行う事にする。2人は、喧嘩するほど仲の良いタイプかもしれない。
私達の戦い、旅は………続く。




