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後日談 おまけ14




 

 その夜………人々が寝静まる時間帯。場所はアレクサンドル帝国とマイキー公国の国境地帯。そこは互いの政府が介入していない土地であり、人気は少ない。


───ゆらゆらと。モンスターのような影をした木々に囲まれ、深夜の広地には時間の流れが止まったかのような静けさが張りつめる。その広地に、何者かが訪れていた………。正体はマイキー公国を中心に活動する(親帝国派)の構成員が複数名。


 そして貼りつめる沈黙を破るように、ドカドカと足音を響かせる。


「定刻通りだな………」


 リーダー格の構成員は重く、真剣な声を吐き出す。


「こう見えても慎重に来たんだ。いつもの補給を与えに赴いたのだよ。作戦は順調か?」


 広地に駆け付け、現れたのは荷馬車を引き連れ、アレクサンドル帝国のとある補給部隊。


「苦戦はしている。公国軍に冒険者ギルド、そしてクロフォード王国の駐留軍による攻勢が続いている。さらなる提供が必要だ………」


 親帝国派のリーダー格は言う。すると帝国の補給部隊は口を開く。


「いくらでも補給は与えよう。我がグレゴリー皇帝の命令だからな………。親帝国派に合流し、国内テロで抗議し、そして最後は公国自身が音を上げ、東側の地域の併合を承認し、我が帝国との併合する流れだ………戦争ではないやり方でな」


 正体は帝国軍の補給部隊、すると親帝国派のリーダー格は面倒くさい様子を浮かべ。


「厄介なのはクロフォード王国の駐留軍だな………あとは駐留軍を強化する為、バランス取りとしか言いようがない帝国との経済協定。あの放蕩王女がかなり厄介だ、早く手を打たなければならない」


 帝国の補給部隊の隊長は荷馬車の前掛けをバサッと開き、さらに口元を緩めて口を開く。


「今回は資金、武器に食糧。そして、いつもの兵士を複数名は提供しよう」


 補給部隊の隊長は言った。親帝国派のリーダー格は頭を下げる。


「ありがたき支援を感謝する。必ずや、親帝国派はこの責務を果たします」


 馬車の荷台には資金、食糧、武器。あとは4名の帝国軍の兵士が搭乗している。親帝国派のリーダー格は帝国軍の隊長と握手を交わす。


「親帝国派は、我がアレクサンドル帝国にとって同胞同然。正式な同胞になる為にさらなる運動を期待しよう………」


 帝国軍の補給部隊の隊長は期待を込めて言う。全ては、マイキー公国を帝国に併合する為に。戦争ではなく、テロリストにあらゆる資源を支援しての裏工作。それによりいつかは東部を帝国に併合する流れ。


───すると、そのタイミングに合わせるように広地全体に声が響かせる。


 アナタ達の行い、全て聞かせて貰いました………。

 


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