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後日談 おまけ10





「どうすれば………」


 絵葉えばはカタカタと震え、かつての光景を思い出す。現実世界では上級生によりイジメのターゲットにされ、物凄く怖くて何も言えない気持ちになる………彼女達には上履きは捨てられ、せんぱいに関わると酷い仕打ちをしてやると脅されて………。


 どうする?………ここで逃げる?別に私はあの娘の事はどうでも良いのですが………。


 一方のミリアは足元を粘液で身動きが取れず、巨大なワームに狙いを定められてジリジリと接近されている。放っておけば説明は不要だ。


(せんぱい………)


 そして思い出す。真美せんぱいの言葉を、イジメっ子達が持つタバコの手を掴み、こう言った。


───アンタが心配だからに決まっているでしょ!!

 

 ★★★★★★


「ヤバい………マスク・ド・a様………」


 迫り来る巨大なワームを前に、ミリアは瞳を閉じて(死)の覚悟をした。かつて共に鉄火場を乗り越えて来た仲間達にごめんなさいと心の中で謝り。


────グヲヲヲヲヲヲヲッ………。


 巨大なワームはピリピリと雷流を全身に発生させて、動けない。


「ミリアさんっ」


 絵葉えばは駆け走ってミリアの隣に立ち、麻痺パラライを詠唱し、巨大なワームの動きを停止させていた。


「アンタ………」と、ミリアは思わず声を出すが。


「うるさい。異常解除キュア


 返す言葉が面倒くさい為、一蹴。そして絵葉えばはミリアの足元に詠唱陣を出現させ、粘着している粘液を解除。


「その………あの」


 絵葉えばの行動にビックリするミリア。


「あーー何も言わなくていいです。さて、反撃しましょ」


 絵葉えばは詠唱の体勢を整え、巨大なワームを睨む。


「ええっ」


 ミリアはロングソードを片手で構え、共に同じ視線の先を見つめる。


 ★★★★★★


───そして………。


 巨大なワームは駆け付けたアンゼシカ(真美)により、両断されていた。そしてミリアは絵葉えばに向かって。


「その………ありがとうございます」


 ミリアは深々とお辞儀をする。ミリアの言葉に絵葉えばは。


「別に………その、どういたしまして………」


 絵葉えばはミリアの視線を反らし、頬を赤くして恥ずかしい様子を浮かべる。


───そして、2人は恥ずかしい気持ちで握手を交わす。その光景をアンゼシカ(真美)は安心したような………不思議な気持ちで。


「私が駆け付けるまで、いったい2人に何があったのかしら?」


 2人を眺めるのである。こうして、採取依頼は完了し、2人の絆がさらに良い方向に築いていけるように祈るのである。やっぱり仲良しが一番だからだ。こうして、冒険者の拠点である首都のヨハネダラスに帰るのである。


 私達の旅は、戦いは………まだ続くのである。

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