後日談 おまけ6
それから………場所はアレクサンドル帝国東部の砂漠地帯。一帯は灼熱と化し、渇いた空気と共に全体に行き渡る砂は空中に漂わせ、まるで違う世界のように………。
金色の髪を、吹き付ける砂風によってなびかせる少女は駆け抜け、片手でロングソードを振るい。
「ハァッ!!」
ミリアはロングソードを振るい、サソリ型のモンスターであるスコーピオンを斬り伏せる。視界に広がる数は4体………途中で砂からゴゾゴソと渦を発生させ、ムクッと顔を覗かせて出現し、5体目となる。
★★★★★★
冒険者ギルド帝国支部による依頼はスコーピオンの討伐だ。砂漠を移動する商人馬車が、奴等によく襲撃されるので依頼された。ちなみにミリアは王国で冒険者の登録歴があり、王国支部から帝国支部に異動という形で再登録した。
───5体のスコーピオンがカサカサと足音を響かせ、接近。ミリアに狙いを定めてのハサミの攻撃、毒針の長い尻尾を伸ばす攻撃がミリアに襲い掛かる。
感覚はスローモーション。精神を研ぎ澄まし、これまでの経験を思い浮かべ………。
「なんのこの程度っ」
スコーピオンのハサミの攻撃を、ミリアは迷いの無いスピードで潜り抜け、そして正面の兜部分に狙いを見て、斬撃を与えて斬り伏せる。
───脂臭く、緑色の血が空中に行き渡り。
それでも残りのスコーピオン達は襲い掛かるのである。奴等にとってはミリアは獲物、尻尾の毒針で相手を刺して弱らせ、ハサミでバラバラにして補食するのが性質だ。
ミリアはロングソードを片手で構えて詠唱。
「氷結の波っ!!」
空中にキラキラとした氷の粒子が充満。そして砂漠の地面から氷結の柱が一斉隆起し、スコーピオン達は氷結の柱に貫かれて絶命………。
氷結の柱に貫かれたスコーピオン達は緑の血をドクドクと流し、脈々と地面に広がる。
「ふぅ………」と、ミリアは一安心。
そのとき、再び砂からゴゾゴソと音を響かせ、巨大な(何か)が出現。正体はバジリスクと言うモンスターだ。岩のような鱗肌をし、体長が数十メートル以上のトカゲである。厄介なのは奴の瞳の光を見たら、石化する。
バジリスクは瞳をキラッと光らせ………。
★★★★★★
「ふぅ………危ないところでした」
アンゼシカ(真美)は大聖剣を片手で担ぎ上げ、自身が両断したバジリスクを眺める。ちなみにスコーピオンの討伐の中に、バジリスクの討伐も含まれており、追加報酬も期待ができる。
「ありがとうございます。マスク・ド・a様っ」
ミリアはいつものお決まりのルーティンをアンゼシカ(真美)に行う。だがしかし、光の球から人型とした絵葉に引き離され、私を巡ってポコポコと叩き合っていざこざ。
これにて依頼は完了、そして………私達の旅は続く。




