第403話 それから………。
ゲーム本編におけるエンディングだ。
ミリア達がDiablosを倒した後、伏魔殿と化していた城内と城下町は元の景色に戻りつつある………。
町中にいるモンスターは消滅し、そして。
「アイツら………責務を全うしたんだな?」
消滅したモンスターを察し、スアレスは微笑む。そしてかつて戦場と化し、ガレキと硝煙が立ち昇り、多くの戦死体が横たわる城下町には生き残った反民族支配主義の同志達は歓喜を響かせる。
それはまるで悪夢のような1日から解放されたかのように。
★★★★★★
───それからは………大変な日々があっという間に過ぎ去っていく。
まずは城下町の復旧作業。アレックス達を含めた多くの仲間達や大勢の人々が参加し、中央広場にてミリアの指揮の下、テキパキと復旧作業を進めていく………。
作業を開始して2ヶ月が経過し、復旧した城下町に再び国民に平和が舞い戻った。謁見の間にてミリアの前にアルフレッドが赴き、視線を向ける。
あれから彼女の正体を知った時はビックリした。彼は決心を込め、そして真剣な言葉を彼女に投げかける。
「アリシアさん。いやミリア王女………この僕、アルフレッド・カイエンと結婚をお願いできますか?」
アルフレッドの言葉に、周りを取り巻く侍女達はどよめきを隠せない。王族相手に求婚を申し込むからだ………。ミリアはスッと玉座から立ち上がり………。
「はい、慎んでお受けいたします」
ミリアは承諾した。
こうして、クロフォード王国に新たな国王陛下が誕生した名はアルフレッド・ミア・シュバルツ。数日後には戴冠式が開かれ、観衆からは期待の声は高い。それからは国の指導者として、厳しい道のりが待っている。
───それから………皆はそれぞれ役割道を歩むのである。ミリアは新国王のアルフレッドと共に国政をこなし、長年、実施してきた民族支配政策の撤廃。東部における軍の撤退や共和国への謝罪。そして国内では(魔法学)(農産物)(その他資材)が盛んな国になり、経済関係を築いた国々から(交易品)の輸入により繁栄を築くのである。
一方、かつて幾つも鉄火場を共にした仲間であるアレックスとデビッド、小さな翼は冒険者として活動し、サウルは妹のリーシャと一緒に盗賊者のコンビとして活躍。ロメロは執事としてヨハーソン邸に復帰。
ちなみにホセ公爵はミリアの権限により、釈放。
かつて反民族支配主義の人々は国内外に赴き、クロフォード王国にいる歴史や伝統、宗教や民族などを布教する団体として活動している。リーダーはかつて民族支配に抵抗し、武器を持って多くの血を流したスアレス。
とある丘にて、多くの仲間達が刻まれた慰霊碑の前に剣を突き立て。
(自身が積み重ねてきた業は忘れてはならない………)
スアレスはそう胸に込める。




