第402話 先代の悲願、念願を全うしたミリア
生と死の狭間にて先祖や両親に別れを告げ、元の世界に帰還したミリア。
───な………ぜ………だぁ?
無限・シュバルツ・Diablosに胸に斬撃跡。光の裂け目が広がり、輝きを放出している。
輝きを放つ光を浴びるミリア。
「ハァ………ハア………ハア………」
聖剣クラウ・ソラスを突き立て、額からは汗。そして息を切らし、額に掛かる前髪。瞳からは涙がポロッと流すミリア。降下される無限の神撃ごと、奴を両断したのだ。
すると、無限・シュバルツ・Diablosの全身から無数の裂け目が広がり、心地よい光の粒子が発生し。
我は………滅びぬ………。
人間の心に………闇がある限り………。
いずれ………また………我が………この世に………。
無限・シュバルツ・Diablosは絶え絶えの戯れ言を吐き、そしてこの世から消滅した………。奴が消滅し、灰色の砂漠と化した空間は元の景色に戻る。場所はかつて先代が奴を封印した聖剣クラウ・ソラスを安置していた封印の間の部屋である。
肩の荷を下ろし、まるで糸が切れたあやつり人形のように一気に力が抜けて体勢をグラッと崩すミリア。まるで今までの緊張感から解放されたかのように………。
地面に倒れる寸前、そこに思わず。
「ミリアさんっ!!」
本能的か、反射的か………ダッシュで彼女に駆け付けるアンゼシカ(真美)。そして両手をスッと伸ばして体勢を崩すミリアを抱き支える。
「………私、一体?」
解放された緊張感。そして精神的な疲労により、意識を朦朧とするミリア。もはや、愛しいマスク・ド・aに抱きかかえられているが、理解は出来ない状態だ。
───ミリアっ!!
他のメンバー達もダッシュで駆け寄り、何かを言っていたけど、何を言っているか分からない。自身が突然、離脱して単独で城に乗り込んだ為や奴に勝利した為か………朦朧とした意識の中、とりあえず私は責務を全うしたらしい。先代の悲願を………責務を………そして自身に宿る(恐怖)を
私は全うしたのだ。
意識は無いけど、自覚はある………多分。
「ミリアさんっ………」
ミリアをグッと強く抱き締めるアンゼシカ(真美)。ラスボス回避した達成感というより、ミリアが助かったという嬉しさが強い。
これは本編においてのアンゼシカエンド。本編では光の球の試練にて、光の球を授かった状態でDiablosに挑み、そして身代わりとなって奴に憑依されたアンゼシカを解放して共闘して奴を倒す流れだが、アンゼシカ・ヨハーソンは私(真美)である為、ミリアが奴に憑依され、結果彼女が本編のラスボスとなった。




