第398話 ラスボスに啖呵を切るミリア
───忌々しいシュバルツとヨハーソン………。長き時を越えてなお我に歯向かうと言うのかっ!!。
無限・シュバルツ・Diablosは巨大な両手を高々と掲げ、超常的な威圧感を漂わせて怒りの咆哮。ビリビリと………空気を支配するように。そして全ての存在を否定しつつ自身の全てを正当化し、雷流のような威圧感が全体に行き渡る。
ミリアは聖剣クラウ・ソラスを両手で構え、真剣な表情を浮かべて主張する。
「先祖代々から………そして全ての決着をつけましょうDiablos。アナタは闇の世界に還るべき存在、この世界に存在してはなりません」
ミリアは言うのである。
一方の私(真美)か………黙っていつものように大聖剣を片手で担ぎ、ミリアの隣にて構えて戦闘体勢を整える。何故なら主張するセリフがミリアさんに使われた為、思いつかないからだ。あと私はこの状況で啖呵を切って主張する性格ではない。恥ずかしいから………という事もある。
───ええい、此奴ら………。
無限・シュバルツ・Diablosの前に、ある光景が映し出される。
立ち向かうミリアとアンゼシカ(真美)。それは遥か昔、かつて自身と相を成したレオナルド・ミア・シュバルツとクリス・ヨハーソンの姿と重なって映る。奴から映し出せる面影は自身にとって目障りだ。
するとミリアは聖剣クラウ・ソラスを構え、アンゼシカ(真美)の方を向いて。
「マスク・ド・a様、これが最後の戦いです。決着を付けて、皆で帰りましょう」
ミリアは言って啖呵を切る。その啖呵に対して私(真美)は?
「そうですね………もうひと踏ん張りです」
アンゼシカ(真美)は大聖剣を担いで普通に返すしかない。ゲームの主人公ではないから………この前まではごく普通のOLの私に、そんなカッコイイ言葉が思い付く訳がないからだ。
するとミリアは再び主張する………。
「帰って、平穏を取り戻した日常の中でまたマスク・ド・a様とイチャイチャして………そして甘々な毎日を…………」
デレデレと笑みを浮かべ、暴走を仕始めるミリア。
私(真美)はため息を吐き出し。
(まったくこの子は………)
これがいつものミリア。(マスク・ド・aの当時により性格は少し改変されたけど………)。ミリアの溺愛クセにアンゼシカ(真美)は困惑した笑みを浮かべるしかない。こんな状況で恥ずかしい話をするミリアに、アンゼシカ(真美)はある意味、関心するのである。
あのね………ラスボス戦なのだから、ちゃんとして欲しいモノだ。そして嬉しい事でもある………ミリアが戻って来たという証である。




