第391話 彼女に意思を送る私(真美)
アンゼシカ(真美)が振るう一撃により無限のD(インフィニティD)に裂傷が広がる。ザックリとした裂け口からは紫の瘴気が発生し、グラッと後退する。
ここで畳み掛けるチャンスだ………私(真美)は大聖剣を片手で構えてダッシュする。そして体勢を整える前に大聖剣を振るい、奴の胸部に狙いを定める。
───アンゼシカ(真美)は本能的に戦いの雄叫びを響かせ、まだまだっ。と、言わんばかりに私(真美)は大聖剣を片手で構え、剣突きを放つ。
1発、2発、3発、4発………と、雨のような剣突きによる刺撃が奴の全身に刻み込まれ、突き傷からは瘴気を噴出させ、前屈みの体勢で活動不能になる。
「ハァ………ハァ………ハァ………」
結構、疲れた………こんなに疲れたのはマラソン大会以来かな。と、過去の思い出に浸りながらアンゼシカ(真美)は息を切らし、奴の様子を伺う。しかし………奴はドクドクと脈動させ、再生活動を開始する。どうやら完全に倒す事が出来ない。
───すると光の球の絵葉が空中に出現し。
倒すには彼女を起こすしかありません、活動不能になっても時間が経てば何度でも復活します………今がチャンスです、せんぱいっ
光の球の絵葉は忠告、ミリアの所に行けと………。瘴気を噴出させ、再生活動中の奴。アンゼシカ(真美)は走って通り過ぎ。
「分かっているわっ」
思わず言葉を吐き、囚われの身のミリアに向かう私(真美)。
彼女の元に辿り着く私(真美)。そしてそっと指先で髪を掻き分け、彼女の額に手を当てる。
未だに思う事がある。彼女の顔、物凄く綺麗な顔をしているのだと………。
「お願い、起きてミリアさん………」
アンゼシカ(真美)は願う。上手くいかなければDEADEND。ミリアの額に手を当て、自身の意識を送り込む。どうやるのか分からないが、やってみるしかない。
プスプスと瘴気を噴出させ、再生活動中の無限のD(インフィニティD)。肉体の修復率は90パーセント、思っていたより修復のスピードが早い。
しかし………。
せんぱいの所には行かせませんよ。
光の球の絵葉は地面から光の鎖を出現させ、奴を拘束。ガチャガチャと暴れ、鎖を破壊しようとジタバタと抵抗する無限のD(インフィニティD)、長い時間はもたない模様。
「ありがとうね絵葉………」
アンゼシカ(真美)は頑張ってくれている絵葉に感謝のセリフを送りつつ、自身の成すべき事をする。今の私の状態はスキだらけ、もし奴が復活して攻撃されたら成すすべはない。
やり方は魔法を唱えるのと同じだと願う………掌に魔力を宿し、ミリアに送り込む。




