第390話 絵葉(えば)の応援
そして無限・シュバルツ・Diablosの内部にある最奥地にある演舞場の広地にて………。
───アンゼシカ(真美)と無限のD(インフィニティD)は刃を交え合えて火花を散らし合い、互いに距離を整えていた。実力差は互角とし、双方の胸部には裂傷跡が残り、アンゼシカ(真美)のビキニアーマーは剣撃による斬撃跡、しかしダメージは皆無。一方の無限のD(インフィニティD)の胸部には裂け傷が開き、瘴気をプスプスと音を響かせて放出している。
フレーフレーせんぱい、頑張れ頑張れせんぱいっ
光の球の絵葉は空中でクルクルと浮遊して陽気に応援している。
まったくこの子は………人の気も知らないで。
アンゼシカ(真美)は少しイラッとした気持ちで光の球の絵葉に視線を向ける。
「アンタは人がこうして慣れない所を頑張っているときに………」
そして光の球の絵葉から視線を反らして恥ずかしい表情を浮かべてボソッと最後に(ありがとう………)と、応援してくれた事を感謝して伝えるのである。
おやせんぱい、デレているんですか?かわいいですねぇ〜〜〜。
デレているアンゼシカ(真美)に詰め寄る光の球の絵葉。
「はいはい、デレました。デレました………」
アンゼシカ(真美)は素っ気ない姿勢で返す。もちろん、私なりの愛情表現だ。いつものノリで、学生時代以来だろうかこの感じは………。
───するとそんなやり取りを無視するかのように………。無限のD(インフィニティD)の異形は片手で聖剣クラウ・ソラスを構え、正面から斬りかかる。
アンゼシカ(真美)は片手で大聖剣を構えて瞬時に察知する。そしてガード。
「とりあえず、懐かしがるのは今は後よ。今は大切な人が生きるか死ぬかの瀬戸際なんだからっ」
絵葉に説明する私(真美)。
フレーフレーせんぱい、フレーフレーせんぱい。
応援する光の球の絵葉。
───すると絵葉の応援に応えるように………。
「ありがとねっ!!」
アンゼシカ(真美)は剣圧で相手を後退させる。正直、応援される事は嬉しい。そして後退して体勢を整える前に相手に突っ込み、大聖剣を振るう。
しかし、振り下ろされる大聖剣の一振りを相手は3体の残像を発生させて分身し、回避。だが、私には見える。先を見切り、奴が風を切って何処に移動するかのスピード感を私には見える。さすがはラスボス、アンゼシカ・ヨハーソンのステータスと称賛したい。
私は大聖剣を片手で構え、察知した方に向かって。
「そこっ!!」
方向は右斜め。予め左側から背後に移動してフェイントを仕掛けようとしていたが、アンゼシカ(真美)は奴が仕掛ける戦術を見切り、奴の方向に向いて大聖剣を振るう。




