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第389話 そこは彼女が望んだ世界Part8





───一方、麦畑にて。空中に斬撃による鮮血が広がる。アンゼシカは後退し、前屈みの体勢を整え。


「ぐっ………」


 アンゼシカは片手で大聖剣を担ぎ、もう片方の手で胸部を押さえる。胸部からは出血が行き渡り、先程相手の攻撃により斬撃を与えられた。カスリ傷のようなモノで、ダメージは浅い。


 異形の騎士は大剣を片手で担ぎ上げ、不気味な威圧感を漂わせて構える。しかし、奴の胸部もアンゼシカによる斬撃を与えられ、裂傷が刻み込まれていた。裂傷の跡には紫色の瘴気が噴出。


 力量差は同等か………と、見ている。アンゼシカは大聖剣を片手で担いで構え直し、額からは冷や汗を滴らせる。


「このアンゼシカ・ヨハーソンに傷を与えるとは大したものだ。しかし、ミリア様や王国に仇なす者に負ける訳にはいかないっ!!」

 

 アンゼシカは戦いの雄叫び(ウォークライ)を響かせてダッシュ。同時に奴と刃を壮絶な火花を散らしてぶつけ合い、中間距離にて交える。


───アンゼシカは剣圧に負け、後退。


 そして体勢を整える前に。


 異形の騎士は3体に分身し、大剣を片手で構えてダッシュ。


「こしゃくな………」


 アンゼシカは瞳を閉じ、曇りなき一滴の雫。それは明鏡止水の如く………。規律とした姿勢を整え、大聖剣を片手で構えて相手を迎える。


 異形の騎士による3体の連撃を、アンゼシカは1体、2体と察知して小さな針に糸を通すように潜り抜けて回避。そしてラスト、相手が振り下ろす大剣を交差させるように狙いを定め、カウンターを浴びせて一閃して相手を斬る。


 異形の騎士は、アンゼシカによるカウンターの一撃を浴びる。裂傷した傷跡からは瘴気が噴出。


 アンゼシカは大聖剣を片手で構え、不敵な様子で視線を向ける。


「貴様の読みはお見通しだ」


 冷静な姿勢を整え、そう言った。しかし、場所はアンゼシカの左横だった。4体目、本物の異形の騎士がアンゼシカに狙いを定め、大剣を振り下ろす。

 

「それも含めてな」


 アンゼシカは冷静な姿勢で振り向き、大聖剣を片手で構えて奴の剣撃をガード。


 ★★★★★★


「何、この感じは?………」


 斜面の茂みからはミリアは冷や汗を流し、頭を抱えていた。記憶の中、モヤが掛かっているが自身が歩んできたであろう様々な思い出が映し出され、赤髪の戦士、緑髪の魔導師、茶髪の盗賊に黒髪の執事。後は桃色髪の少女にそして………舞踏マスクを着用した女性騎士。


 彼等とは様々な状況を乗り越え、時に対立したが、かけがえない仲間だった………。


 ミリアは舞踏マスクを着用した女性騎士を思い浮かべる。


(マスク………ド………様………)


 

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