第387話 光の球の絵葉(えば)、再び
───ミリアさんっ!!私です、アンゼシカですっ!!
アンゼシカ(真美)は戦いの中、十字架に拘束されて意識を失っている彼女の名前を叫ぶ。
しかし………目を覚まさない。
そして邪魔するかのように介入し、無限のD(インフィニティD)が正面に回り込んで大剣を振るい、刃を交え合う事を繰り返す。
★★★★★★
「ハァ………ハァ………ハァ………」
アンゼシカ(真美)は片手で大聖剣を担ぎ上げ、息を切らしていた。
距離、前方十数メートル先の間合いには無限のD(インフィニティD)が立ち、大剣を片手で担ぎ上げて構えている。隣には無意識のミリア、封印されているかのように気を失っている。
しかし苦戦と言うか、アンゼシカ・ヨハーソンとしての能力をフルに発揮した為の快感による気の疲れによるモノである。今まで私、このアンゼシカ・ヨハーソンの力をフルに発揮したことがない。そして今、全力で発揮している。この状況で全力を発揮するのは気持ち良いのか………身体は何処か心地よいが、心は不安だ。
せんぱい、苦戦してますね?
───空中に出現したのは光の球の絵葉。
「こんな時に………あのさ、ミリアさんを何とか助ける方法とか知らない?」
アンゼシカ(真美)は尋ねる。
光の球の絵葉はアンゼシカ(真美)の周りをクルクルと回り、いつものようなノリで。
ヌルヌルと動くせんぱいの姿、こんな姿ではなかったら抱きつきたくなりますぅ~~~。なびく下着の色はセクシーな………。
「絵葉。ふざけていないで答えなさいっ」
私(真美)は言った。こんな状況だら、こうでも言わないと聞かないからだ。
ぶぅ~〜〜せんぱいのいけずぅ~~~。けど、愛するせんぱいの為に教えてあげましょう。
私(真美)は耳を傾ける。
ミリアさんは自身が望む世界である夢の中にいます。その意識の中では自身が望むままの世界、そしてアンゼシカ・ヨハーソンといる為、呼び叫んでも聞こえません………。
「じゃあ、どうすれば良いの?」
アンゼシカ(真美)は尋ねる。
彼女に触れ、自身の意識を送り込むしかありません………。
「分かったわ、ありがとう絵葉。さすがは私の愛すべき後輩よ」
アンゼシカ(真美)は言った。
せんぱぁ〜〜〜〜い。
嬉しかったのか、光の球の絵葉はクルクルと私(真美)の周りを回ってくる。
まったくこの娘は………と、軽く困惑して苦笑いを浮かべる私(真美)。
───しかし、光の球の絵葉は追加説明。
けど、それをする為にはまず、あの異形を何とかしないとダメです。
「ありがとう、愛してるわ絵葉」
私(真美)はマスク・ド・aと名乗って舞踏マスクを着用する。




