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第385話 そこは彼女が望んだ世界part6





 芝生の斜面にてシートを敷き、ティータイムを楽しむ2人。紅茶がたしなみ、クッキーを軽く食べながら何気ない思い出話に花咲かせ、クスクスと笑い合って楽しむ。


 しかし、その楽しみは打壊される。


「お下がり下さいミリア様………」


 アンゼシカは真剣な姿勢。鞘を抜いて大聖剣を片手で担いで構え、戦闘体勢を整える。この状況にミリアは少し怯えた表情を浮かべ、アンゼシカに視線を向ける。


「お姉様、あれは………」


 と、尋ねてみる。………しかしアンゼシカお姉様は答えてはくれない。


 一帯は漆黒に広がり、まるで夜闇のように。そして麦畑の中にてパキパキと燃え盛る炎のような赤黒い威圧感を漂わせた異形の騎士が出現した。身長は2メートルの異形。漆黒の甲冑を着用し、鋭い眼光を輝かせた三白眼に角。


 漆黒のマントをバサッと広げ、漆黒の大剣を片手で構えてミリアやアンゼシカを睨む。


「ミリア様はここにいて下さい。あのような不届き者は私が成敗してまいります………」


 アンゼシカは真剣な声で告げ、敵がいる麦畑に向かって走る。しかし、ミリアは異形化した騎士を見ていたら何処か見覚えが………。それは懐かしいような、愛おしいような………変な感覚が全身に行き渡る。


(何だろう………この感じは………)


 ミリアは額からは冷や汗。頭を抱え、記憶の中に(何か)かが流れてくる。


 ………スク………a様っ


 何やら金髪の少女が舞踏マスクを着用した女性騎士に抱きついて溺愛している光景だった。互いに言い合っているセルフがかすみがかったかのように聞こえない。ミリアは額から冷や汗を流し、口調を震わせる。


「この少女は………何だろう?」


 ミリアは言う。


 ★★★★★★


 その頃、麦畑にてアンゼシカ・ヨハーソンは例の異形と対峙していた。あの異形化した騎士の出現により一帯の雰囲気は異質、空は漆黒に染まり、ユラユラと揺れる麦一帯からは火の粉のような黒い粒子が空気中に充満する。


 大聖剣を突きつけ、そして真剣な口調で。


「貴様は何者だ?」


 アンゼシカは異形化した騎士に尋ねる。不届き者に聞いても無駄だと思うが………。


(……………)


───アンゼシカの問いに何も言わない異形。異形はバサッと漆黒のマントを広げ、大剣を片手で構える。


 異形から漂う不気味かつ、凄まじい威圧感。アンゼシカは異形から漂う威圧感を肌に感じて思う。コイツは強いと………。


「返答は期待はしてはいなかったが………不届き者には容赦はしない、覚悟しろっ」


 アンゼシカは大聖剣を片手で構え、突っ込む。


───彼女が突っ込むと同時に異形は大剣を構え、突っ込むのである。


 

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