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第379話 そこは彼女が望んだ世界





「失礼します。ミリア様、会議の時間でございます」


 コンコンとノックし、ミリアの私室に入って来たのは侍女。書斎机にて書類整理や書類作成、送付された様々な条令状、勅命状、許可状などの書類における調印の最中であり、書類の束が積み重なっている。


 次女の言葉にミリア第1王位継承姫君は。


「はい、今行きます」


 イスから立ち上がり、余裕な笑みを浮かべてミリアは答える。そして会議室に向かう為、廊下を歩く。通り過ぎる侍女や使用人には挨拶して軽くお辞儀。


───私は幸せだった………毎日が楽しかった………。強くて心優しい国王陛下の父上がいて、優しい王妃の母上がいて。王国の公務は大変だけど、充実している。


 そして会議室のドアを開き………。


───会議室にて、白熱した会議。会議の課題は(税制度)(民族、宗教、伝統の保護法)(安全保障)などの会議だ。ミリアは立ち上がり、主張。


「今の税制を8パーセントから15パーセントに増税とし、王国の伝統の保護や軍事予算、そして低所得者に対しての手当や補償、就職支援に回すとする」


 ミリアは言った。そして全てを解決し、父譲りの剛腕振りで政策を採決した。


 ★★★★★★


 会議を終え、ミリアは歩いていた。突き当たりの通路にて。


「さすがです、ミリア様………」


 1人の女性騎士が手を振って待っていた。


「アンゼシカお姉様っ」


 先程の表情とは一変し、喜びの笑み。ミリアはダッシュして抱きつく。


 ★★★★★★


 2人は並んで廊下を歩いていた。


「今の税制では、国内の貧富の差は高まるだけ。会議室では皆さん増税は主張するものの、掲げる政策は富裕者に利益を生み出し、国民の事を考えていないモノばかりでした」


 ミリアはタメ息を吐き出す。


「しかし、ミリア様の主張する大幅な増税は一部の国民から批判はされるでしょう。ミリア様はどのような政策を?」


「ある程度の批判覚悟しています。王国の伝統保護、軍事費用もあり王国政府だけでは上手く補償政策は回らない為、各地域を管轄している貴族には独自の(補償)(手当て)(給付金)などの政策を勅命しておく事を考えています」


「なるほど、各地を管轄している貴族に補償や勅命し、協力させていくのですか………。私の父上は民主寄りの公爵貴族ですが、喜んで受け入れるでしょう」


 アンゼシカは言う。


「国民の喜びが王族の喜び、その為なら誰からでも憎まれ役を買います」


「ミリア様は指導者のかがみです。私、アンゼシカ・ヨハーソン、ミリア様のいるこの王国に生を受けた事を光栄でございます」

  

 アンゼシカはお辞儀。


「ありがとうございます、アンゼシカお姉様っ」


 アンゼシカの言葉にミリアは抱きつく。


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