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第375話 映し出される光景



 


───そこはキラキラとした神々しい光に包まれていた。全体に広がる白い光の粒子。それはまるで人々の魂のように………本当にこの中は、悪魔の中なのだろうか?………と、疑いたくなる。もっとおぞましくて禍々しい中を覚悟はしていたが。心が安心してしまう、そんな雰囲気の場所であった………。


 アンゼシカ(真美)は辺りを眺める。


「この中に、ミリアさんが………」


 アンゼシカ(真美)は歩いて進む………。同じような景色、自身を不安にさせる。


 すると、アンゼシカ(真美)は立ち止まる。そして(何か)が空中に映し出される。


───ははうえ~~~。


 映し出された光景。それは幼少の頃のミリアさんだ。金髪の女性はミリアの母上、庭園の花畑にて幼少のミリアは人懐っこく抱き締める。


(これは、ミリアさんの記憶?)


 アンゼシカ(真美)は眺める。そして幼少のミリア、可愛いなぁ………と、思わず見惚れてしまう。


 今の光景が消え、次の光景が映し出される………。


「次は?………」


 アンゼシカ(真美)は足を運び、興味深い様子で次の光景を眺める………。


 その光景はキツイ物だった………事故をした馬車、その中には母上の亡骸、そして最大規模の葬儀………。参列者が中、幼少のミリアは喪服ドレスを着用し、涙を流さずに母上を納棺した馬車を見送る。


 光景は消える………。


 その次、幼少のミリアの部屋にて1人の女性兵士が教育係として駆け寄る。名前はアンゼシカ・ヨハーソン。初めは緊張した様子のミリアだったが次第に懐いていき、まるで年の離れた姉妹のようだ………。それから、城の庭園を散歩したり外の麦畑に運び、2人で並んで寝転び、笑い合った………。


 今の光景が消え、次の光景が映し出される………。幼少のミリアはアンゼシカ・ヨハーソンが乗る馬に乗り、広大な草原を駆け抜ける。


───もっとスピード上げてお姉様っ


───はい、喜んでっ


 幼少のミリアの楽しそうな声に、アンゼシカは快く了承して馬を走らせる。馬を走らせる事により揺れるアンゼシカの大きな背中、ミリアは憧れて抱きつく。


 次、年月が経過して12歳のミリア。王族主催のパーティにて、ミリアは社交ダンスのデビューを果たす。相手は親愛なるアンゼシカ、不慣れなミリアにアンゼシカはリードしてダンスを披露するのである。


 それを見て私(真美)は………。


(楽しそうだね………)


 何かこう………ミリアとアンゼシカ・ヨハーソンとの楽しそうな光景に、私(真美)は思わず見惚れてしまう。本当にミリアさんは、アンゼシカ・ヨハーソンの事が大好きなんだって………。



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