第374話 突入するアンゼシカ(真美)
「おい、アンゼシカっ!!」
聞いていない作戦にアレックスは思わず呼び叫ぶ。
「私は中にいるミリアさんを助けに行きますっ!!」
アンゼシカ(真美)のいきなりのセリフに、アレックスは驚愕して。
「アイツを助けにって………そんな事が出来るのかっ!!」
アレックスは言うが。しかし悠長に言葉を交える時間は残されていない。そしてアンゼシカ(真美)は光の球のレオナルドに(お願いします)と、頼む。
すると光の球のレオナルドは………。実行する
───光よ、汝をかの下に導きたまえ。
光の球のレオナルドは詠唱。するとアンゼシカ(真美)の全身は光に包まれ、そして光の球と化した。
(皆さん、後は頼みますよ…………)
光の球と化したアンゼシカ(真美)は皆に託す。私は中にいるミリアさんを救出しに無限・シュバルツ・Diablosの中に向かう。時間はあまり残っていない、下手すれば戻っては来れないし、アレックス達が体力が底を着いて敗北する可能性もある………。しかし、私(真美)はミリアさんを救う為、迷ってはいられない。彼女は仲間であり、この世界に来てあの子と同じ位、心配なのだから………。
光の球と化したアンゼシカ(真美)はフワフワと浮遊し、光の裂け目を広げた無限・シュバルツ・Diablosに突入するのである。
同時に無限・シュバルツ・Diablosは光の裂け目が閉じ、咆哮を響かせて体勢を整えた。そして思わずアレックスは愚痴るように口を開く。
「まったく、いつもいきなり。と言うーか」
アレックスは少し呆れつつロングソードを構える。するとデビッドは。
「とりあえず、彼女を信じ、時間を稼ぎましょう」
デビッドは言う。
「丁度、調合したモノが沢山あるんだ。実験台になってもらうとしようか?」
サウルはバッグから(得体の知れないモノ)である赤い宝玉を取り出し、不敵な様子を浮かべる。
「なら私は、日頃のストレス解消の為に奴をサンドバッグにさせて貰いましょう」
ロメロは軽くストレッチして両拳を構える。
「ミリア、アンゼシカが帰って来るまで持ちこたえる。私、頑張るっ!!」
飛竜状態の小さな翼はドスッと着地し、尻尾をブンブンと振り回して体勢を整える。
「そういう事だ。覚悟はあるか?」
アレックスはロングソードを突きつけ、尋ねる。
───この我をコケにしよって………生きて帰れると思わぬ事だ………。
悪魔として神としての意地が働き、無限・シュバルツ・Diablosは怒りを震わせる。
「行くぜっ!!」
アレックスが戦いの雄叫びを響かせ、そして他のメンバー達が集結して立ち向かう。
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