第373話 いざ、遠い孫娘の為に
───さらに変異する無限・シュバルツ・Diablosの体長は10メートルの大きさまで巨大化した。肥大化した両腕、パキパキと音を響かせた爪、そしてさらに巨大化した肉体を上回るように………黒くて美しい羽根を生やした天使の翼がバサッと広げる。
禍々しい闇属性の魔力を宿し、全身から熱圧を漂わせる………。空気が震えるようにビキビキと地鳴りが響き渡る。
禍々しい奴の威圧感、しかし皆は屈しない。何故なら………。
「それがどうした?」
アレックスは光を宿らせたロングソードを構え、不敵な表情を浮かべる。
───我を憤らせた事を後悔するが良い………。
巨大化した無限・シュバルツ・Diablosは聖剣クラウ・ソラスを突き上げ、唱える。
そして10体の漆黒の聖職者を召喚。威圧的な姿勢でランスを構え、戦闘体勢を整える。
───上等だ………と、皆は屈しない姿勢を整え、戦いの雄叫びを響かせて駆ける。
★★★★★★
───暗黒の岩撃ッ!!
無限・シュバルツ・Diablosは聖剣クラウ・ソラスを片手で突き上げ、唱える。
地面全体から。雷流を発生させた漆黒の岩柱が一斉に隆起し、展開。一斉に隆起する漆黒の岩柱の波が皆の前まで押し寄せる。すると、デビッドは真剣な姿勢で杖を構えて詠唱。
「全てを回避せよ。完全回避術ッ!!」
そう唱え、駆けるアレックスとロメロに風属性の詠唱陣を描き、回避術を付与。私(真美)に付与しないのは、しなくても回避出来るからだ。
「オラオラオラオラッ!!」
アレックスは前進して回避しつつロングソードを振るい、漆黒の聖職者を撃破していく。
「せいっ」と、ロメロは回避しつつ前進。拳撃で漆黒の聖職者を撃破。
「ガウッ!!」
飛竜化した小さな翼は飛行し、上空から光属性の炎球を放つ。
───こざかしい………飛竜ごときが………。
無限・シュバルツ・Diablosは放たれる光属性の炎球を聖剣クラウ・ソラスを振るってガード。すると、戦いの雄叫びを響かせたアンゼシカ(真美)は跳び上がり、正面から奴に狙いを定めて大聖剣を振り下ろす。
───グワァアアアアアアッ!!
無限・シュバルツ・Diablosの胸部に、光の裂け目のように開いた斬撃が与えてられた。斬撃の裂け目からは光が漏れ、断末魔の叫びを響かせる。
「行けますか?レオナルドさん?」
アンゼシカ(真美)は尋ねる。
───うむ、いつでも。我が遠い孫娘を頼むぞ………。
光の球は答えた。
「おい、アンゼシカ。何をする気だ?」
アレックスは尋ねる。
「ミリアさんを、助けに行きます。戻って来るまで、時間稼ぎをお願いします」
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