第371話 光の球、そして思い出す彼女
───何だ?この忌々しい光は?…………。
放たれる光、まるで聖なる輝き。無限・シュバルツ・Diablosは嫌な表情を曇らせ、戦場に射し込む光を聖剣クラウ・ソラスを掲げてガードする。
アンゼシカ(真美)は瞳から涙を流し、安心した笑みを浮かべる。
「思い出したよ………試練の時、そして彼女の事もな………」
アンゼシカ(真美)は大聖剣を片手で構える。
思い浮かび上がるのは彼女、それはサラッとした金髪のロングヘアーの15歳。あどけない瞳に容姿とは裏腹に努力家であり元気な少女の■■■。普段はとても元気な性格でよく私に抱きついて溺愛して。時には仲違いになったかり、失敗して落ち込みもした。それでも■■■は乗り越えて来た。
すると………ドクン。と、光により無限・シュバルツ・Diablosの精神がグラッと揺れた。そして浮かび上がるのは………金髪のロングヘアーの彼女、名前は。
───ええい、忌々しい光だ。シュバルツの血筋め…………。
無限・シュバルツ・Diablosは頭を抱え、苦悶の声を響かせる。そして動きが止まる。
待たせたな………光の試練を乗り越えし者よ………。
その声は?と、聞き覚えのある声の主に、アンゼシカ(真美)を含む皆は辺りを眺める。
すると、アンゼシカ(真美)の前にフワフワと宙に浮遊して出現したのは光の球。
久しいな………よくここまで辿り着いた事を讃えよう。
「レオナルドさん………おひさしぶりです」
アンゼシカ(真美)は言った。
試練を乗り越えし汝よ………自身が救うべき、思い浮かべる人物を思い出すが良い。
尋ねる光の球。
アンゼシカ(真美)は直ぐに浮かべる。彼女の事を………頑張り屋でいつも元気で、私が隠れてサポートしてもすぐに発見し、困るくらいに溺愛してきて。いつも一緒にいた彼女を………。そして鎖を解き放つように、答える。
───ミリアさんっ!!
アンゼシカ(真美)は叫んだ。すると同時に戦場に眩い光。アレックスのロングソードに光が付与、デビッドの杖先に光が付与。サウルのバッグの中から光を放ち、そしてロメロの両拳に光が付与される。
飛竜状態の小さな翼にも光属性が付与され、全身の鱗に眩い光を放ち、光属性の炎が息が漏れる。
───クソ………忌々しい光。レオナルドめ………貴様は我に屈したのではなかったのか?
無限・シュバルツ・Diablosは怒りを震わせ、尋ねた。
全ては貴様を倒す為だ………我は死に際、光の球として現世に残り、この時の為に………ヨハーソンの子孫を信じ、待っていたのだよ。
光の球はそう答えた。




