第368話 ラスボスと刃を交える真美
───次々と攻勢を仕掛ける漆黒の聖職者達。複数体の奴らはサウルに狙うようにランスを突き立て、突き放って槍撃。
サウルはバックステップで回避して体勢を整え、同時にバックからゴソゴソと(何か)を取り出す。
「とっておきに調合した新作を喰らいなっ!!」
サウルは(何か)を投げ放つ。物体の形は蒼青の色をした宝玉。
そして投げた場所に。
「ガウッ!!」
───投げられた蒼青の宝玉は小さな翼がピョンと跳んでパクッと喰らい、バリバリと咀嚼する。そしてドクドクとみなぎらせる魔力により雷流を全身に発し、大口を開き、漆黒の聖職者達に狙いを定め、白銀の雷ブレスを吐き出す。
同時に轟音を響かせ、漆黒の聖職者達は一瞬にして塵となってせん滅された。これはバッグに入っているクリスタルと希少な材料、そして雷の小型爆弾を材料にしての蒼青の宝玉を生成し、これを小さな翼に投げて食べさせて属性魔力をアップさせ、合体の特殊技を編み出す。
合体技を成功し。
「でかしたぞ、小さな翼っ」
サウルは小さな翼に向けて成功のガッツポーズ。
「ガウッ!!」
小さな翼は尻尾を突き上げ、一言で応える。
★★★★★★
アンゼシカ(真美)と、無限・シュバルツ・Diablosは互いに刃を交え、周囲にぶつけ合う衝撃を発生させる。超常的な存在との刃の交え合い、今のメンバーでは唯一、奴と同じレベルで渡り合えるのは私(真美)位だ。
すると無限・シュバルツ・Diablosは口を開く。
───やるな人間達よ。ここまで抵抗出来る者達はレオナルド以来だ………。
無限・シュバルツ・Diablosは、対抗するアンゼシカ(真美)達を讃える。しかしアンゼシカ(真美)は。
「ありがとう、ホメられても嬉しくはないけど………」
アンゼシカ(真美)は跳び下がって距離を整え、大聖剣を片手で突き上げて詠唱する。なお、今まで説明してなかったが、私(真美)が魔導術が使えるのはこのアンゼシカ・ヨハーソンというキャラがあらゆる魔導術を心身の記憶に刻み込まれ、会得されていたからである。流石はラスボス、覚えている魔導術は最強だ。
───おもしろい、どう抗うか………。
無限・シュバルツ・Diablosはどこか余裕な威圧感。
神聖なる雷撃ッ!!
上空に詠唱陣を描き、聖なる雷球を無限・シュバルツ・Diablosの頭上にポツン………と、雫のように降下させる。
───無限・シュバルツ・Diablosは避けようとしない………。ピカっとした白銀の輝き。そして雷撃による爆発、全体に雷がバチバチと発生させる。




