第367話 その頃、城の外では
───その頃………。
空気中に禍々しい瘴気が充満し、毒々しい紫色の肉壁により伏魔殿化により戦場と化した城下町。地上では反民族支配主義の人々は刃を振るって戦う。そして上空では協力関係の飛竜達が次々と火炎球を放ち、上空を飛行して守護している巨大蝿、骸骨神官、小型の悪魔等のモンスターを撃破していく………。
★★★★★★
そして、城下町では………。とある地区、そこは(封印球)の宝石によりモンスターが召喚され、敵は死霊騎士が10体、大鎌を得物とした骸骨神官が3体。地面に行き渡る構成員達の戦死体、生き残りは5名の構成員だけであり、戦況は劣勢である。
次々と、モンスター達にせん滅される民族派の構成員達………。
死霊騎士は刃を振るう。
───とある構成員は剣撃で弾かれ、体勢が崩れてガラ空き。正面から死霊騎士に剣を振り下ろされる。
「うわぁ〜〜〜〜ッ!!」
構成員は断末魔の叫び声。
「だあっ!!」
スアレスは部下のピンチに駆け付けて大剣を振るい、死霊騎士を撃破。同時に駆けつけた彼の部下達により、次々と死霊騎士達や骸骨神官を斬り伏せて制圧する。
「ありがとうございます、ボスっ」
「我々が来たからには、もう安心だっ!!」
背中姿のスアレスは、怒号を響かせる。
「自分は、まだ戦えます」
構成員はロングソードを構え、臨戦態勢。使命なら命を落とす覚悟。
「馬鹿者が、お前は若い。ここは我に任せてお前は城の外に撤退しろ」
「そんな、ボスを残して撤退なんて出来ません」
構成員は言った。
───すると。
「ボスっ!!」と、部下達が叫ぶ。何故ならスアレスの背後から身長3メートルの重装備のトロールが大槌を振りかぶる。
その時、白銀の獅子がスアレスの横を高速で通過して重装備のトロールに飛び付いて押し倒し、ガブガブと噛み付きを喰らわせる。
「ボスっ!!」
駆けつけたのはフィリー。そして負傷したメルディとホセ公爵、あとはエネルギーとして捕虜にされた民間人達だ。
「お前達、無事だったか………ホセ公爵、ご無事で何よりです」
スアレスは安堵の様子、そして敬意。
「私は大丈夫だ。それより市民達を城下町の外に向かわせたい。この空間を維持する為のエネルギー源にされていて、衰弱が激しいのだ」
ホセ公爵は言った。地下牢から脱出してきた市民達の表情は薄く、瘴気が充満している為に長居は毒であり、危険だ。
「承知した。フィリー、並びに生き残っている者達は負傷したメルディと市民達を城下町の外までの護衛だ」
スアレスは指令を下すのである。そして皆は敬礼し、指令を実行する。
彼女は、大丈夫だろうか………。
異形化した城を眺めるスアレスであった。




