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第361話 こんな場所に王国軍の死体?





───アンゼシカ(真美)を先頭に。皆は異界化した城内通路を駆け走る。襲いかかるモンスター達を倒しつつ、最上階にある部屋の封印の間を目指す………。


 城内通路には禍々しい紫色をした肉壁。天井や壁、地面に広がり、表面には無数の血管がドクドクと脈動している………。辺りにはアンゼシカ(真美)達が撃破したモンスターの死体の数々。ミリアのいる場所が近いのか、空気中に充満する瘴気が濃くなっている。


 ★★★★★★


───皆は階段を駆け登る。階層は城の頂上の通路と言ったところ。しばらく走っていると………。


「おい、これって………」


 アレックスは辺りを眺め、驚愕する。


 それは死体。ただの死体ではなく王国軍兵士達の死体だった。1体、2体、3体、4体、5体………かれこれ10体以上は倒れている。身体中の至る所に刃でスパっと斬り伏せられて絶命している。 


 およそ死亡推定時間は1時間前………皆は立ち止まって死体を調べる。


 ロメロは兵士の死体に刻まれる剣傷を眺め、推理する。


「全身を一振りで倒している。まるで一通りに成長した戦士が与える一撃のような………」


「アンタ、そんな事まで分かるのか?ただの死体だぜ?」


 アレックスは言う。するとデビッドはあることに気づく。


「けど、こんな場所に王国軍は兵士がいるとは少し違和感がありますね………」


 デビッドは表情を曇らせる。何故ならこの伏魔殿パンデモニウム化した場所に先程のモンスターがいるのは分かるが、人間である王国軍の兵士がいるのは疑わしいからだ。


 するとロメロは嫌な予感しかしない表情を浮かべ、結論を出して口を開く。


「この綺麗な切り口、まさかとは思いますが………」

  

 刻まれている剣傷を見て、犯人を浮かべる。


「おい、そんな事って………」


 まさか………と、アレックスは驚愕する。


「この先には例の場所があり、彼女はそこに向かった。ここに立ちはだかる兵士達を、かつて王族としての日々を送り、部下だった兵士達を………」

 

「何の躊躇ためらいもなく、斬り伏せたって訳なのかっ?アイツ、確かに戦いの実力は成長はしたが、人をそう簡単に斬り殺せる位、覚悟はあるわけがっ」


 アレックスの言葉に、デビッドは。


「真意は分かりません。もしかしたら、この兵士達が操られて斬り掛かってきて、彼女がそれを撃退した。と、考えても良いかと………」


「そういう事なら………けど、こんな場所に普通の兵士達の死体があるなんて、良い予感はしないぜ」


 アレックスは言う。


───そして、疑惑を胸に。皆は地面に横たわる死体を通過する。


 辿り着いた場所。かつて封印の魔の扉だった場所には漆黒の渦を巻いた異空間のゲート。



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