第358話 ラスボスダンジョンのあるある
───状況で分かる。タダでは通してはくれないようだ………。さすがはラスボスのダンジョン、今まで遭遇したボス級のモンスターもここではザコモンスターとして出現してくる。ちなみに前世にて私(真美)は面倒くさいから遭遇したら逃亡してラスボスに戦力を温存する質である。
たまに遭遇したザコモンスターが強く、それで体力をゼロにされた事があり、GAMEOVERと表示されたテレビ画面。そしてコントローラーを握ったまま言葉を失った事がある。
───今度は何だ?………。
すると、ズシン………と足音を響かせ、異界と化した城内通路に出現する漆黒の飛竜。
(あれ以来、慎重になったんだよね………)
アンゼシカ(真美)は慣れた様子でジャンプし、漆黒の飛竜の全身に狙いを定め、大聖剣を振り下ろして両断。
───キュウ………キュウ………。
その次、天井に開いている大きな隙間からズルズルと………漆黒のクラーケンが壁から地面を這い、触手をクネクネさせて出現。海で遭遇した頃より少し体格は大きい気はするが、過去に遭遇して苦戦はした。しかし皆は様々な経験を積み、レベルアップした皆の前では………。
デビッドは杖を構え、詠唱。
「炎よ、隕石となれ。焔の隕石ッ!!」
上空に詠唱陣を描き、焔の隕石を漆黒のクラーケンに向けて叩き落とす。
───漆黒のクラーケンに焔の隕石が放たれ、奴の全身に大ダメージを与える。プスプスと音を響かせ、焦げた臭いを発生して弱っている。
アレックスはロングソードを構え、漆黒のクラーケンに向かって直感でダッシュ。そして飛脚。
「ここだっ!!」
大ダメージを受けて弱っている漆黒のクラーケンの額の部位を狙い、ロングソードを振るって斬撃を与えて撃破する。
額の部位に斬撃を与えられた漆黒のクラーケンは黒墨を噴射し、天井や肉壁、地面に行き渡る。そして触手を地面にピクピクとさせ、活動を停止。
★★★★★★
ロメロは両拳を構え、漆黒の鎧を装備した大型のオークに向かってダッシュ。そして中間距離の位置、胸部に向け、高速かつ鋼鉄の拳を伸ばしての拳撃を与える。
───拳撃を与えられた大型のオークは吹っ飛び、肉壁にめり込む。
通路中に広がる魔人のモンスター達。飛竜状態の小さな翼は紅い瞳を光らせて大口を開き。
「これを食べてみなっ!!」
サウルはバッグから1つのクリスタルを取り出し、小さな翼に投げ放つ。
小さな翼はパクっとクリスタルを食べてバリバリと咀嚼。
「炎の息吹きっ!!」
全身にみなぎる魔力。そして口から火炎を吐き、魔人のモンスター達を焼却。どうやら、クリスタルは使い方によってはパワーアップさせる事も可能だ。
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