第345話 連れて行く?連れて行かない?
───アレックス達は飛竜の炎球で城壁を破壊し、大穴を作って城の中に突入。そして暗い廊下に入り、皆は飛竜の背中から降りた………。
★★★★★★
「ありがとうなっ」
アレックスはポンポンと叩き、乗せてくれた飛竜に感謝する。そして飛竜は再び翼を羽ばたかせ、戦場と言う名の上空に飛び立つのである。自分達が協力出来るのはここまで………後は自分達が成し遂げるといい。と、表すように。
「私も行くっ」
大穴からひょっこりと小さな翼が入り込み、人間を姿に変身してアレックス達と同行する事に………。
「お前っ」
アレックスは思わず………。
「きゅう~~~」
そしてアレックスの腕を組み、抱きついて溺愛する。
「お前なぁ〜〜〜…………」
全くコイツは………と、溺愛してくる小さな翼にアレックスは頭をポリポリと掻いて困惑する。
「行くぅ〜〜〜行くぅ〜〜〜〜私も行くのぉ~~~」
小さな翼はキュートな表情を浮かべ、ジタバタと暴れてワガママを言う。まるで遠足に行くような気持ちで。しかし、飛竜とは言え、小さな翼は見た目は人間の子供、戦場に連れて行く訳には………。
するとデビッドはアレックスに対して主張する。
「アレックスさん、ここまで来れば彼女も仲間じゃないですか?それに、外だって戦場です。ここまで来れたのも彼女の実力があったからでは?」
「それでもな………コイツにもしもの事があったらな…………」
アレックスは小さな翼に視線を向ける。仲間として心配だから………と、アレックスの発言に、小さな翼は視線を向ける。
「アレックス?…………もしかして、小さな翼が邪魔?」
ウルウルな瞳を輝かせ、アレックスを見つめる。
「うっ…………」
アレックスは小さな翼の瞳の色に思わず困惑。コイツのこのお願いする瞳、何故か苦手だ。
「アレックスさん。彼女はここまでお願いしているんですよ?逆に連れて行かなかったら薄情だと思いませんか?」
デビッドは言う。
「旦那、旅は道連れ。腹を括りましょうよ?」
サウルはアレックスの肩を叩き、忠告する。
「アレックスさん?………」
最後にロメロは沈黙して睨み付ける。もはや、小さな翼を連れていくしかない雰囲気を作っている。アレックスは皆の意見、いや威圧に対し、頭を抱えて考える………そして。
「分かったよ。連れて行けば良いんだろ?」
アレックスは雰囲気に負け、折れた………。よって小さな翼を連れて行く事にする。もういい………こうなったら自棄だ。
「アレックスぅ~~~」
小さな翼は喜び、アレックスに再び抱きついて頬をスリスリする。




