表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

344/556

第343話 アレックス達、王都上空にて。





───その頃、上空ではアレックス達を乗せた飛竜ワイバーンとその群れは王都に向かって飛行し、接近していた。王都に到着するまでの距離は1500メートル。正面から激しくぶつかる風圧にアレックス達は振り落とされないように飛竜ワイバーンの背中に広がる鱗を掴み、足元を踏ん張らせて体勢を整え、険しい表情を浮かべながらも瞳を細め、視線を定める。


 その先の王都の景色に、アレックスは思わず。


「何だアレはっ!!アレが王都なのか?」


 アレックスは声を荒げ、驚愕する。上空の雲と化した赤い瘴気を吹き抜け、城下町の景色が行き渡る。しかし、その光景はあまりにも異常な世界である。建物全体は禍々しい紫色をした肉壁が広がり、ドクドクと脈動している。そして至るヶ所に不気味に歪んだ巨大な樹木が生えている。


「まるで、伝承に記された………悪魔が住む世界である魔界のような………」


 デビッドは飛竜ワイバーンの背中に掴まり、異界を眺めて語る。


「しかし、なかなかイカす光景じゃねぇか?貴重な素材や宝、トレジャーハンターの血が騒ぐぜ」


「言ってる場合か?ミリアを助けに行くんだぞ?目的を忘れるな」


 アレックスはサウルを注意する。


「分かってるって旦那、ミリアの救出ってな………」


 サウルは言った。そんで隙あらば場に落ちている素材や宝を頂戴する。アレックス達が見えない所でね………。あんな怪しい場所で素材や宝を集めないのは、盗賊として失格だ。

 

 ロメロは飛行中の飛竜ワイバーンの背中から城下町を眺め………。


「………どうやら、地上の方では交戦中ですね?」


 ロメロは言う。地上では異界と化した城下町で戦うのは反民族支配主義の人々だ。異形なモンスター達と交戦し、行き死にを賭けている。


「ミリアさんはどうですか?」


 隣のアンゼシカ(真美)は尋ねる。そしてロメロは交戦状態の城下町を軽く眺め、確かめる。


「いませんね。恐らく城の中に突入したのかと………」


「そうですか」


 ロメロの答えに、アンゼシカ(真美)は納得。すると、アレックスは決意し、提案した。飛竜ワイバーンの背中上から皆を眺め、口を開く。


「なら目的地は決まりだな?」


 皆に尋ねる。


 アレックスの質問に対して皆は「ああっ」と返事する。そして隣で飛行している小さな翼(リトルウィング)に目的地を告げ、その後は父親の飛竜ワイバーンに耳打ちをして伝える。


───父親の飛竜ワイバーンは咆哮を響かせ、群れの飛竜ワイバーンに伝えるのである。そして、アレックス達を飛竜ワイバーンとその群れは城に向かう。


 そして、城全体を包囲するかのように。浮遊しているのは飛行系モンスターだ。体長100メートルの巨大蝿や小型悪魔リトルデーモン、大鎌を得物とした骸骨神官などなどである。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ