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第341話 ミリア、いざ城の中へ



  


 城の中に突入し、ホセ公爵の救出はメルディとリーシャが務め、そしてメインであるアンゼシカ・ヨハーソンの討伐はミリアが務める事で話を合意した。自分なりに、王族としての責任を全うする為、ミリア単独で向かう。


 生きて帰って来い…………。


 スアレスの言い放ったセリフが気持ちの中に残り、生きて王族を建て直さなければならない。と、自身の責任が重くのしかかる。


───ミリアは城の中の廊下を走っていた。床に行き渡る真紅のカーペット、壁に掛けられた絵画や設置された甲冑像。追放前に見たあの頃のままだ………と、かつて過ごした日々の光景が思い出として蘇り、感極まる気持ちになるがそんなヒマはない。


 そして、城内の廊下を駆け抜けるミリアの耳に、あのアンゼシカが聞こえてくる。


   ミリアさま…………痛い。

    助け………て、助けて、私を解放を………。

 

(アンゼシカお姉様………)


 ミリアは必死になり、走る。聞こえる声によりアンゼシカお姉様がどんな状況になっているか頭の中に浮かび上がる。待っていて下さい、駆けつけて助けてあげるから………。と、決意を強固にする。


───すると………詠唱陣を描き、召喚されてミリアの前に立ちはだかるのは5体の漆黒の聖職者。このモンスターは初めての依頼で遭遇したモンスターである。初めは手も足も出なかったが、今は………。


 目の前の敵に、ミリアはショートソードを片手で構え、戦闘体勢を整えて駆け抜ける。かつての経験が自身を強くし、戦闘の面でも人間としての面も成長した。

 

 漆黒に聖職者達はランスを構え、威圧感を漂わせる。そしてミリアに向けて駆け、攻撃を仕掛ける。


 ミリアは叫ぶ。


「そこを………退きなさいっ!!」


 ギラギラと赤黒い瞳を輝かせ、全身に赤黒い威圧感を漂わせてショートソードを振るう。疾風迅雷のようなスピード、何事も恐れない感覚。気持ちの中に充満してるのは(戦)の文字だ。


───1、2、3、4、5体………と、ミリアはショートソードを振るい、漆黒の聖職者を斬り抜けて一閃。空中に漆黒の血しぶき、かつて自身を殺すほど痛めつけたモンスターはスピードすら反応出来ず、一瞬にして撃破された。


(これも戦いだから仕方ない………)


 ピクピクと瀕死になっている1体の漆黒の聖職者を、ミリアはショートソードをグサリと容赦なく突き刺してトドメを刺した。額や頬には黒い返り血が広がり、そしてガシュと引き抜く。


 ★★★★★★


 廊下を駆け抜け、敵を斬り伏せつつ階段を駆け登り………最上階に辿り着く。


   ミリア………さま………。

     ああ、ミリアさま………。


───ミリアは扉を開き、城の最上階にある封印の間に足を踏み入れる。


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