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第338話 城門前、スアレスとライアン、リーシャ






 一方、クロフォード王国の城は伏魔殿パンデモニウムにより異形化していた。巨大化した禍々しい大樹触手が行き渡り、かつての城の姿とはかけ離れていた。城全体を囲む大樹触手のスキ間から赤黒い輝きを放ち、まるで活きているかのようにパキパキと脈動している。


 ★★★★★★


────そして、城門前の中央広場にて。一足先に駆けつけたのは3人の戦士だった。1人の戦士は面倒くさい状況にタメ息を吐き、低い声を出す。


「どうやら、そうは簡単には通してもらえないようだ………」


 スアレスは大槌を片手で担ぎ、目の前の光景に険しい表情を浮かべる。共に戦場を駆け抜け、一緒にいるのは召喚使いのリーシャと魔導師のライアン。


 3人の前に立ちはだかるのは、大鎌を得物とした体長3メートルの骸骨神官が2体。そして30体程の数を誇る死霊騎士デュラハン。後、城門前には(封印球)の宝石が設置されて輝いている。この先は城の中、中にいるのはアンゼシカ・ヨハーソンがいる為か守護は厳重である。


 着用している漆黒のローブを揺らし、ライアンは詠唱する体勢を整えて威圧を漂わせる。


「この程度、今まで潜って来た修羅場と比べたら可愛い方だっ」


 そして詠唱陣を上空に描き、聖光の槍が4本を出現させて放つ。


 聖光の槍が死霊騎士デュラハン達に降り注ぎ、弱点属性の為、一撃で次々と消滅して一掃される。


───それと同時だった………。(封印球)の宝石が輝き、3頭牙狼獣ケルベロスが出現し、ビリビリと咆哮を響かせる。そして3頭の牙狼獣ケルベロスは俊足の速さでダッシュしてスアレスに喰らいかかる。


 リーシャは尺杖を構えて詠唱。詠唱陣を描き、白銀の獅子を召喚。そして3頭牙狼獣ケルベロスの正面に向かってダッシュ。


「ボスに触れさせるかよっ」

 

 リーシャは声を上げる。白銀の獅子は3頭牙狼獣ケルベロスと激しくぶつかり合う。互いに牙を晒し、噛みつき合い、爪撃を与え合う。


───すると、リーシャの正面から1体の骸骨神官が大鎌を構えて駆け走り、振り下ろす。整えたいが体勢が間に合わない。


「死んどけっ!!」


 位置は骸骨神官の横から。駆けつけたスアレスは大槌を振るい、一撃を与える。一撃を喰らった骸骨神官は空中に粒子を発生させて消滅。


「ボス、ありがとうございますっ!!」


 リーシャは頭を下げる。ボスに駆けつけてもらわなければ死んでいたからだ。スアレスは大槌を片手で担ぎ上げ、リーシャの頭を撫でる。


「馬鹿者、頭を下げるな。部下を助けるのがボスの役目だろ?」


 スアレスは言った。撫でる大きな手は何処か優しく、故郷を滅ぼされて身寄りがないリーシャはその手と大きな背中を見て育ったのだ。 



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