第335話 飛竜(ワイバーン)に乗って王都へ
───主人っ!?
メンバーは飛竜化したソフィアの言葉に驚愕し、声を響かせる。
「お空にいるのは私の家族たちだよぉ~~~」
飛竜の小さな翼は隣にいる飛竜と並んで活気な声で説明した。ソフィアの主人、小さな翼の父親的存在だけあってか、他の飛竜より身体は大きい。宝石のような輝きを放つ赤い鱗に強靭かつデカい尻尾。そしてギロりと睨まれたら恐怖で萎縮し、石みたいに硬直してしまうであろう竜眼。
…………何がなんだか。ちなみに飛竜が駆けつけるシーンは早い。この場面が発生するのはメンバー達が城を襲撃している最中にて発生する。
───グルルルル?…………グル、グル………。
小さな翼の父親の飛竜はヒソヒソと娘に耳打ちをして尋ねている。それに対して小さな翼はガウガウと声を出して返した。
「何て言っているんだ?」
アレックスは尋ねる。すると、小さな翼が歩み寄り、答える。
「あの赤髪の男は誰だってパパが?」
「そうか………それでなんて返したんだ?」
アレックスは再び尋ねる…………。
「将来の旦那さんってパパに説明したのっ」と、小さな翼はアレックスの腕を組み、喜んで答えた。
「えっ!!」
小さな翼、何でそんか説明したんだ?。アレックスは驚愕。そして恐る恐る………小さな翼の父親の飛竜に視線を向ける。
───グルルルルルルルルル…………。
小さな翼の父親の飛竜はアレックスを鋭い眼を光らせ、尻尾をブンブンと振り回し、睨み付けていた。そして若干、口から炎が漏れている。
めっちゃ見てる………。
「違うって説明してこい」
身の危険を感じ、アレックスは言う。こんな冗談で死にたくはない。しかし小さな翼は………。
「違わなくないもん。アレックス、私の将来の旦那様にするのっ」
小さな翼は聞いてくれない。逆に見せつけるように、アレックスに密着して溺愛。その様子を父親の飛竜は睨み付ける。
「アレックスさん、お幸せに」
「アレックスの旦那、おめでとうございます」
デビッド、サウルは祝福してパチパチと拍手する。
「お前ら、助けろっ!!」
アレックスは訴えかける。
★★★★★★
───さて、冗談はさておき。今から飛竜達の力を借り、これからミリアのいる王都に突入を開始する。アレックス達は飛竜の背中に乗り、鱗に掴まって体勢を整える。
「皆さん、お気をつけて下さい。僕は行けませんが、ミリアさんをどうかお願いします」
「お願いしますのです」
アルフレッド、クリスティーナは頼み込む。
「後は俺達に任せておきな、アイツは必ず救出するからよ」
アレックスは言った。そして………アレックス達を乗せた飛竜は飛び立ち、飛竜の群衆は王都に向かう。




