第321話 フィリーと町を回るミリア
────そして………他のメンバー達と解散して中央広場を離れ、ミリアは中央通りを歩いていた。中央通りを行き交う人々、謝肉祭は夜でも賑やかに行われる。今日は街中を回りつつダンス大会でたくさん身体を動かしたので、疲れた………。今日は早く帰って、休みたいのが本音だ。
すると、ある人物がミリアの元に駆けつける。
「ミリアさんっ」
現れたのは、冒険者ギルドの受付係のフィリー。
「あれ、フィリーさん?」
「仕事がやっと終わったので………その、少しだけで良いんで、付き合えないかなぁ~~なんて」
フィリーは頭をポリポリと掻いて伝える。ギルドの受付を1日していたので回れなかった。せっかくなのでお食事でも一緒にしたい。
「はい、良いですよ」
ミリアは言った。疲れてはいるが、お腹が空いたので晩ごはんついでとしては丁度良い。通り沿いの露店に販売している食べ物が良いかもしれない。せっかくなので彼女にも美味しい謝肉祭の食べ物を勧めたいし案内したい。それにダンス大会で起こったドラマなども話したい。
「ありがとうございますぅ」
フィリーはペコリと頭を下げる。
───そして2人は仲良く夜の通りを回り、露店で販売している飲食物を購入し、広場にあるベンチで楽しく食事をしている。
ベンチに座り、行き交う人々を眺めながら会話。
「ダンス嫌いのアルフレッドさんが優勝ですって?」
「はい、本人は涙を流すほど嬉しかったみたいです」
ミリアは言った。あのダンス大会においてのドラマ、ダンスが苦手なアルフレッドが努力して大会に出場しての優勝。なかなか見れるモノではない。
「気持ち分かる。苦手な事を克服して嬉しいもんね」
「フィリーさんも、来年参加したらどうですか?楽しいですよ」
ミリアの言葉にフィリーは空を眺め。
「ダンスか………そうね、考えておくわ」
「会場にいる人達も優しいですし。優勝とか関係なく、楽しくダンスをする事がメインな大会ですよ」
「そうか………」
フィリーはベンチにてうつ向きかけ、沈んだ表情を浮かべる。明るい色から暗い色に変化するように。
「フィリーさん?」
空気が一変。異変を感じるように、ミリアは尋ねる。
「ミリアさんは………もし明日、平和では無くなったらどうしますか?」
「えっ?フィリーさん、どうしたのですか?」
「人々が武器を持って、戦いに行って、当たり前の日常が突然、消えたら?」
フィリーは異様な威圧感を漂わせ、そうミリアに告げる。同時に行き交う人々は消えた………。
「いきなり何を言って………」
───その時、広場には漆黒のローブを着用した10名の人達がミリア達の元に駆けつける。そしてフィリーがこれから起こる全ての事を話し、納得して同行するのである。
アンゼシカ(真美)は腕を組み、その様子を眺める。これは、必要な事だから………。




