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第315話 しばしの休憩





───以上で、決勝ステージの予選通過ペアの発表を終わります。ただ今より決勝ステージ準備の為、参加者は30分の休憩に入ります。


 会場アナウンスの声が響き渡る。予選通過者にとっては次なるステージ、そして敗退者はここで終わりを意味する。しかし、謝肉祭カーニバルによるダンス大会は技術を競い合う事より、ダンスを楽しむ事がメインであり、敗退したペアは涙を流す人は皆無、ほとんどの参加者達は会場の観客席から決勝ステージに突破したペアを応援するのである。


 ★★★★★★


───中央広場、休憩がてらベンチにて皆は集まる。


「まさか、皆様が決勝ステージに残るとは思いませんでした。特にアルフレッドさん、上達しましたね?」


 ミリアはアルフレッドに視線を向ける。彼にダンスを教えてはいないが、自信がついてダンスが好きになったので、何処か嬉しい気持ちだ。


「自分はそれほど………」


 アルフレッドは頭をポリポリと掻いて照れる。しかし、ミリアがあの時にダンスに連れ出していなかったら今の自分はいない。


「兄さまは、やれば出来る子なのです。カイエン家にとって、当たり前の事です」


 妹のクリスティーナは胸を張り、兄に代わって主張する。妹のセリフに、アルフレッドは恥ずかしい表情を浮かべつつ………。


───するとリーシャ、アルフレッドの肩に手をポンと置いて。


「おい、優勝しなかったら………殺すからね」


「だから、何で殺されなくてはいけない?」


「これは愛のムチよ。アンタはさらに実力が引き出せるからね………」


 リーシャは言う。


「いや、このダンス大会は技術より、楽しむ事をだな………どうしても、優勝しなくてはいけないのか?」

 

 アルフレッドは恐る恐る様子で尋ねる。

 

「だけど、アンタは優勝はしたくはないのか?」


「それは………優勝はしてみたいけど」


「よし、なら優勝を目指そう。しなければ殺す」


「だから何で?」


 リーシャのセリフに、アルフレッドは困惑してツッコミのセリフ。冗談か、本気か。いつ時代の重要任務を任されたプレッシャーを感じなければいけない?


───そして、皆は結束して………。


「とりあえず、勝っても負けても恨みっこなしで頑張りましょう」


 ミリアは言った。


「まさか、決勝まで行けるとは思わなかったが、ここまで来たら優勝を狙わせてもらおうか………」


 デビッドは布告。するとソフィアは恥ずかしい表情を浮かべ、デビッドの腕を組む。


「もし、私達が優勝したらデビッドさんとデートをしたいです。そして将来は………」

 

「断る、勝手に決めないでもらえますか?」


 ソフィアの発言に、デビッドはキッパリと断る。

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