第311話 それぞれの意思
───時刻は昼過ぎ、中央広場では関係者の準備により、ダンス大会のステージが設置されていた。参加者は総勢30名、それぞれ10名が1グループで3部門に分かれている。ステージ中の景色を眺められる位置にある審査員席には3人の審査員が並び、採点する。最高が10点、最低が0点のカードが上げられる。
1グループでは、上位2ペアが決勝ステージに進出し、総勢6名で執り行われる。
★★★★★★
───まずは客席にて、大勢の観衆が賑やかな雰囲気を醸し出し、席を埋め尽くしていた。皆は出場する参加者達のダンスを眺める。そして自分達の出番になればステージに登ってダンスを披露する流れだ。
「とりあえず、皆さんが決勝ステージまで進める事を祈っています」
ミリアは健闘を込めて伝える。デビッドとソフィアのペアとアルフレッドとリーシャのペアに………。皆はそれぞれ違うグループに分けられており、ミリアのペアは1グループ。デビッドは2グループ、アルフレッドは3グループにて、予選が始まる。
「出場したからには負けません。今回はライバルですよ」
デビッドは挑戦的な主張。
「とりあえず、踊れば良いのですね?」
ソフィアは楽しい気分で身体をクルクルと回って披露する。
「………ま、そんな感じだ」
デビッドは言った。何か、ダンスを分かってないような気はするが………果たしてどうなる事やら。
「頑張りましょう、マスク・ド・a様っ」
ミリアはアンゼシカ(真美)を見つめ、言った。
「ああ、出場したからには優勝を目指しましょう………」
アンゼシカ(真美)はガッツポーズを取り、宣伝した。アンゼシカ(真美)の言葉にミリアは………。
「はいっ………もし、優勝したらマスク・ド・a様の部屋で一緒に………」
「それは………ダメ」
恥ずかしく、色っぽい表情を浮かべてお願いするミリアに、アンゼシカ(真美)はバツ印のサインを両手で表現してやんわりと断る。何やらヤバい事をされる予感がして言葉では表現出来ない。
「もう、マスク・ド・a様っ」
ミリアは頬を膨らませてぷんぷん。
「アタシらも、参加するからには優勝だ。分かったな?
「もし、優勝出来なかったら?」
「優勝出来なかったら殺す。以上だ………」
リーシャはアルフレッドの顔を至近距離で睨む。
「うむ………心得た」
彼女に威圧され、アルフレッドはコクコクと頷く。そして思った、この女性は恐ろしいと………。ダンス大会で優勝出来なかったら、殺されてしまうのか?。
冗談だろう?優勝出来なかったら殺されるなんて、聞いたことない。
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