第307話 占いをするデビッドとソフィア
───場所は西の大通り、2人は歩いていた。
「謝肉祭、楽しいですっ」
ソフィアは新鮮な気持ちにより喜び、露店や大道芸のショーが並ぶ大通りを眺めながら歩き回る。
楽しむ光景をまじまじと眺めるデビッド、するとソフィア。
「人間の催し物、私達の種族では味わえないモノです」
と、褒め称えるソフィア。先程から彼女、大道芸人のショーばっかり見ている。マジックショー、3組の演奏団や人形劇団による人形劇などなど………。
「そうか、君が楽しいなら、何よりだ………。ソフィアさん、何処か案内して欲しい所はありますか?」
デビッドは尋ねる。少し謝肉祭の熱気に当てられたみたいで、楽しい気分だ。案内をしているソフィアさんの雰囲気には覚えはあるが、今は触れないようにしよう。
───するとソフィアは………。
「デビッドさん、何か運勢や健康運、恋や何かを教えてくれるお店がありますっ」
ソフィアは占い屋のテント店に立ち寄り、手招きをしてデビッドを呼び込む。
「占いか………ま、見てやるか」
あまり占いは好きではない。何故なら運任せは嫌いだからだ。とりあえずデビッドは頭をポリポリと掻いてソフィアを追いかけ、婆さんの占い師が構える露店に立ち寄るのである。
★★★★★★
婆さんの占い師は水晶を掲げ、2人に視線を向ける。
「恋愛を見て欲しいんだね?」
婆さんの占い師は察した様子で尋ねる。占い師の言葉にソフィアは………。
「はい、恋愛って何か分かりませんけど?」
ソフィアは喜びの様子。無論、恋愛と言うモノを理解していない。
「俺は何も言ってないが?………」
デビッドは呆れた様子のため息。何故なら勝手に占いの内容が進んでいたからだ。
「それでは、運勢を占い始めます………」
婆さんの占い師は両手を掲げ、水晶玉に念を込める。水晶玉は神秘的な紫色に輝きを放ち、ユラユラと輝きを行き渡らせる。
「わくわくしますね?」
ソフィアはデビッドに小さな声で尋ねる。
神秘的な雰囲気に、デビッドは………。
(所詮は占い、そんなもので運は決まっていたら世の中は苦労しないっての………)
と、占いには否定的。デビッドは腕を組み、占いの結果を待つ。
「結果が出ました。お2人の恋愛運、それは良好との結果です。時に否定的な彼氏に、アクティブな彼女がリードすればさらに良い関係が築けるであろう………」
占い師は言った。
「ありがとうございますっ」
ソフィアは言った。
(まさか、娘持ちの人妻と恋愛運が良好になるなんてな………)
デビッドは苦笑いを浮かべる。ま、たかがは占いではあるが、それなりな結果に楽しめた。
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