第304話 久しぶりのカイエン兄妹との再会
とある声に、クリスティーナは反応して振り向く。
「あ、アリシアお姉様っ」
クリスティーナはダッシュし、ミリアの大きな胸にに向かって抱きつく。
「お久しぶりです、クリスティーナさん」
クリスティーナ・カイエンとの久しぶりの再会に、ミリアはニコッと笑みを浮かべる。確かホセ・ヨハーソン邸での使用人依頼で出会った兄妹貴族だ。妹のクリスティーナはお転婆かつ年上のお姉様好きな性格だ。一方の兄のアルフレッド・カイエンは少し後ろ向きな性格でダンスが下手、それだけだ。
「おねぇ~~~さまぁ~~~」
クリスティーナはしたデレデレした様子でミリアの胸をスリスリする。
「あらあら、クリスティーナさんったら………」
ミリアはクスクスと微笑むのである。するとクリスティーナはアンゼシカ(真美)の方に向いて………。
「アリシアお姉様、そちらの騎士さまは?」
クリスティーナはミリアから離れ、尋ねる。
「あ、この前説明した親愛なるお姉様です」
ミリアは言った。
「アンゼシ………いや、正義の味方のマスク・ド・aと申しておこうか?」
思わず正体を言ってしまいそうだったが………アンゼシカ(真美)は、ビシッとお辞儀して自己紹介する。本当は離れて会った事はあるが、言ってはいけない。
何か怪しい人だな………と、物珍しく思い、クリスティーナは軽く気持ちを整え。
「コホン………私はカイエン侯爵家の長女、クリスティーナ・カイエンと言います」
隣のアルフレッドは礼儀正しい姿勢を整える。
「自分は、長男のアルフレッド・カイエンと言います」
アルフレッドは自己紹介。
「お二方も、この謝肉祭を観光時に来たのですか?」
ミリアは尋ねる。
「はい、道行く所に色んな店があって、思わず足を運んで行ってしまうのです~~~」
クリスティーナは恥ずかしい限り………と、様子で頭をポリポリと掻く。
「気持ち、分かります」
ミリアは言った。町中に広がる人々の活気、謝肉祭にある様々な露店や大道芸人のショーなど、見ていて新鮮な気持ちになる。
するとクリスティーナは、道沿いにある空き地にて、大道芸人によるマジックショーを発見した。
「お兄様、あそこでマジックショーをしているわ。見に行きましょうッ!!」
マジックショーをしている大道芸人に向かって、クリスティーナはダッシュするのである。
「まったくアイツは、あまり目に映る場所に勝手に走らない事だな………では、自分達はこれで失礼します」
2人に対して軽く頭を下げ、腕白盛りのクリスティーナを心配しつつ、アルフレッドは呆れた様子で追いかけるのである。
読んで頂きありがとうございます。もし、気に入ればブックマーク、評価ポイント、感想をお願いいたします。




