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第300話 人形劇を見る2人





 街の東通りにある広場にて、アンゼシカ(真美)とミリアは、劇団による人形劇を眺めていた。謝肉祭カーニバル中もあってか観光客は多く、人形劇を見ている人達は結構いた………。


 人形劇は子供向けのイメージではあるが、しかし、劇団員によるストーリー性、それに合わせた人形の動きや高低を使い分け、年齢や性別を分けた声の変質により、見ていて面白い。

 


───〈悪魔に囚われし姫君〉───


 ストーリーは、悪魔に囚われた城の姫を助ける騎士と言うシンプルな物語だ………。悪魔に囚われた姫を助ける為、悪魔に従属する人間を次々と倒し続ける騎士レーグニッツ。


 道中、己の信念を胸に、斬り進むレーグニッツ。 


 そして騎士は知るのである………いや、自我に目覚めたと言えよう。騎士に命令した王様は国民に対しての恐怖的な支配、戦争の準備である。それを裏切り、敵国に亡命した姫君を、王様からの命令は抹殺。


 本当の悪魔と言うのは何なのか?と、葛藤する騎士に………悪魔の正体は自分が敵を倒す為に思い聞かせた架空の存在である………しかし、幾多の血で心を汚し、最後の敵国の王様を粛清した騎士は、悪魔のように容姿となり………。


 化け物ッ!!


 敵国の王様は、怖じ気付いて後ずさる。


───そして、レーグニッツはその獣のような大爪を振り下ろし、王様は断末魔の叫びを響かせる。


 悪魔となった騎士レーグニッツは、その獣のようなドス………ドス………とした足音で牢屋に駆けつける。


 ガシャ………と、鉄を曲げるような音を立て、姫君が捕らわれていた牢屋をねじ開ける。


───ヒィ、化け物………。


 姫君は恐怖し、壁へと後退してしまう。


───バケモノか………俺はどれだけの人間を、殺してしまったのだろう?


 かつての騎士レーグニッツは、血で濡れた両手の大爪を眺める。


 その余りにも恐怖の容姿に怖がりつつ、囚われた姫君は何処か心に惹かれてしまい、震えながら手を差し伸べる。

 

───この私と………逃げてくれませんか?


───姫様の仰せのままに………。


 姫君の命令の下、悪魔として変貌した騎士は翼を羽ばたかせ、その禍々しくて大きな腕で包み込むように姫を牢屋から連れ出し、何処かに消えていなくなるのがラストである。


 パチパチパチパチ………。

 

 鑑賞していた見物客からは拍手。


「ありがとうございます、ありがとうございます」


 人形劇の団員は頭を下げ、お辞儀。そして袋に、それぞれ100SVシルバーから1000SVシルバーのチップが払われる。


「吹き替え、おもしろかったです」


 ミリアはチップ500SVシルバーのチップを払うのである。ちなみに私(真美)は10000SVシルバーをコッソリと入れる。(おもしろかった)と、伝えて………。




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