第298話 刺客、小さな翼(リトルウィング)
「ミリアさん、アレを………」
「何ですか?」
アンゼシカ(真美)とミリアが見つめる先、広場にて開催されている大会に視線を向ける。開催されている大会は(ホットドッグ大食い大会)である。参加者は男性が多く、その10人の参加者の中に見覚えがある子が………。起源は50年前、謝肉祭を活気で盛り上げる為、諸説では酒場にて余ったホットドッグを処分の為、多くの人々が食べて競い合った事により出来た競技であるとか、無いとか………。
「リトルウィングちゃんがいますっ」
参加席にて彼女を発見し、ミリアは視線を向ける。ちなみに見物客達の中にはアレックスが困惑しつつも応援していた。彼は参加しない、何故なら大食い向きの胃袋をしていないからだ。
★★★★★★
見物客達は、彼女の食いっぷりに大歓声を響かせる。
───何と、凄い参加者が現れましたッ!!
司会者はビックリしていた。
ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく…………。
他の男性参加者達を子供扱い………リトルウィングは機械のようにホットドッグを次々と平らげていく。
(そりゃ………正体が飛竜だからな………)
アレックスは腕を組み、苦笑いを浮かべながら眺めている。多分、優勝は確実であり、胃袋の大きさや食欲は人外だからだ。
参加の理由、たくさんのホットドッグが食べられるから、ジューシな匂いに誘われたから…………。
「何だあのガキは………」
「化け物か?」
「子供相手に負けてられるかっ」
これにより、男性参加者達のプライドに火が付き、自身の胃袋にムチを打ち、次々と運ばれてくるホットドッグの皿を1枚、2枚、3枚、4枚………と、皿が重なり、ホットドッグを平らげていく。
これでどうだ?………大人をナメるな………と、額からは汗を流し、パンパンになった胃袋。正直に言えば、限界が近い。男性参加者達は彼女に視線を向ける。
しかし、彼女は…………。
ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく…………。
(何だってぇ〜〜〜〜ッ!!)
男性参加者達は、驚愕した。顔色一つ変えず、次々とホットドッグを平らげる彼女。男性参加者達を上回る早さで皿を次々と重ねなれ、時間だけが経過していく。
───そして…………。
「結果発表ぉ〜〜〜〜〜ッ!!」
司会者は終了を宣伝し、参加者達の心が折れ、テーブルに伏せていた。退席した参加者達が向かう先はテント、何が行われているかは説明はしない方がいい。
司会者は彼女の元に駆けつけ、賞金が入った袋とトロフィーが差し出される。
「優勝は、謎の少女のリトルウィングちゃんだッ!!」
一方の彼女は、会場にいる人々に手を振る。
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