第297話 アイスクリームを食べる2人
───ミリアはデレデレした様子でアンゼシカ(真美)の腕を組み、謝肉祭期間中の町を満喫していた。気分はデート、視界に広がる人々の活気は新鮮である。
せんぱいっ!!
私(真美)は、先前の私にいつも溺愛して来た絵葉を思い出す。背中から抱きついて来たり、胸を揉まれたり、頬をツンツンしてきたり………うるさいし、言うことを聞かないし、本能的でとにかくエキセントリックな子だった。すると考えている私に………。
「マスク・ド・a様?………」
ミリアは伺ってくる。
「どうしたんだい?」
少し反応が遅れ、アンゼシカ(真美)は視線を向ける。
「その………私、うっとうしいですか?」
ミリアは、何処か申し訳ない様子で恐る恐る尋ねる………。
「とんでもない、少し考え事をしていただけさ………。さて、次は何を見ようか………」
辺りを眺めるアンゼシカ(真美)。彼女をこんな表情をさせてしまうなんて、悪い事した………と、反省。するとミリア、とある飲食系の露店を見つけて………。
「次は、あの店に行きましょ」
おお、凄い力だ………。ミリアはアンゼシカ(真美)の腕をリードするように引っ張り、アイスクリームを販売している屋台に連行する。アンゼシカ(真美)とミリアはアイスクリームを注文し、受け取る。
★★★★★★
そして中央広場にあるベンチに座り、2人は肩を並べ、アイスクリームを食べる。何だか、肩を並べてアイスクリームを食べるのは、アーケード街にあるベンチで絵葉と一緒にいた事を思い出す。
───私(真美)はアイスクリームを食べているミリアを、微笑ましく眺める。なお、決してやましい事はない。
「マスク・ド・a様?」
ミリアは反応。
「いや………その。君のアイスクリーム、美味しそうだから一口貰えないかななんて………」
と、アンゼシカ(真美)は誤魔化した。
「良いですよ。私も、マスク・ド・a様のアイスクリーム、食べさせてもらっても良いですか?」
ミリアはアイスクリームを差し出す。
「うむ、是非食べてみてくれたまえ」
やり取りが成立、アンゼシカ(真美)もアイスクリームを差し出す。
2人は互いのアイスクリームを食べ合う。生前、真美と絵葉とアーケード街でアイスクリームを食べて過ごした懐かしい気持ち、こうして互いにアイスクリームを食べたモノだ。
すると………ミリアは私(真美)の頬に向けて指を伸ばしてクリームを拭き取る。
「クリーム、付いてますよ」
ミリアはクリームをペロッと舐める。
「そういう、君もね………」
私(真美)も指でミリアの頬に付いているクリームを拭き取り、ペロりと舐める。
「もう、マスク・ド・a様ったら………」
恥ずかしい表情のミリア。
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