表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

296/556

第295話 謝肉祭(カーニバル)





 中央都市アフタヌーンでは年に一度の謝肉祭カーニバルが開催されていた。都市が設立されて250年記念、今年は王国東部における軍事活動、反民族支配主義によるテロ、そしてホセ公爵の逮捕、最後は怒った一部の国民が王族に対する物資の献上拒否などが問題が起こったが、今年も各地方から多くの人々が訪れるのである…………。


 ★★★★★★


 大通りには様々な商品を販売する屋台が並び、大道芸人のジャグリング、人形劇を披露する劇団員、マジックショーを披露するマジシャン。それらを見物する観光客で賑わい、活気に湧いている。


(そうか、今日からは謝肉祭カーニバルが開催されているんだ………)

 

 アンゼシカ(真美)は辺りを眺めながら大通りを歩いていた。昨日の夜、明日は謝肉祭カーニバルが開催されると分かっていたハズだったが、7時間後とは思えない程の膨大な時間を過ごしてきたような感覚があり、何故か忘れていた。


───すると………。


「何を考えているんですか?マスク・ド・a様?」


 ミリアはアンゼシカ(真美)の腕を組み、左手の指で彼女の頬をツンツンと突いて尋ねる。いかんせん、1人で謝肉祭カーニバルを散歩しようとしたが部屋で捕まってしまい、付き合っている。本人ミリア曰く、デート気分らしい。


「これはすまない、私は賑やかな場所は初めてでな………。つい、目の前の興味に目を奪われてしまったのだよ………もちろん、君も含めてね………」


「マスク・ド・aさまぁ~~~~…………」


 ミリアはデレデレと喜び、アンゼシカ(真美)の腕を組み、溺愛。


 ま、終わった事ではあるし、取り返しのつかない事態ではなさそうだし、深くは考えるまでもない………そんな感じがしたからだ。


 デレデレと私の腕に組み、乳房を当てながら溺愛してくるミリアを見て、アンゼシカ(真美)は思う。


───せんぱい、おはようございますっ。


(何か、懐かしいノリだな………絵葉えばを思い出すわね………)


 ミリアの姿、それは後輩の中谷絵葉なかたにえばの姿と重ねてしまう。彼女も同じく私にデレデレと溺愛してきて、よく振り回されたモノだ。一緒に通学したり、昼は屋上でランチ、下校はいつも一緒だった。あの子、元気にしているかな………と、しんみりと思い浮かべてしまう。


「マスク・ド・a様、あの店に行きましょ」


 アンゼシカ(真美)の腕を引っ張るミリア。


───せんぱいっ

 

 アンゼシカ(真美)はミリアを見ていたら親愛なる後輩の絵葉えばの面影と声を思い出し、懐かしさにポロッと涙が頬を湿らせていた。


「マスク・ド・a様、どうしたのですか?」


 ミリアは心配な様子で尋ねる。


「すまない、君を見ていたら昔の友達を思い出してな………」


「昔の友達?」


「いずれ、君に話そう。さ、謝肉祭カーニバルを楽しもうっ」


 

 



 読んで頂きありがとうございます。もし、気に入ればブックマーク、評価ポイント、感想をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ