第290話 真の試練Part45
───アナタはそれでいいの?…………。
漆黒の空間にて、謎の声が響き渡る。
私は声に対して思わず沈黙する。自分はこれでいいのかな?ここに残るべきなのか………。まるで自分が今いる世界に留まるべきではない存在。こっちの世界は毎日が楽しくて幸せだ。しかし向こう側の世界は今…………。
───こんな毎日が続けばいい………しかしアナタは選択しなければならない。
謎の声はさらに尋ねる。
そして、とある景色が広がる………。戦士の男性と魔法使いの男性、盗賊の少年、執事の男性。ついでに桃色の少女と共に活躍する金髪の少女。少女は剣を振るい、様々な困難に対して立ち向かう。最初は薬草摘みで私と出会い、再度の薬草摘みの際、次は飛竜に遭遇し、そこにいた戦士のアレックスと魔法使いのデビッドと共に撃退した。時に失敗しながらも乗り越えるミリア、次は盗賊のサウルと出会い、依頼にてミリアとアレックス、デビッドとサウルと共にクラーケンの撃破した。次はこの5人と一緒に遺跡に行ってトレジャーミッションを行い、様々なトラップやモンスターを撃退して乗り越えた。次にミリアが仲間と言い争いになり、失意の中でロメロと一緒にアンゼシカ・ヨハーソンの父であるホセ公爵の館にて、ヨハーソン家の過去を知り、アンゼシカが自身を追放した理由を知った………。
一方、かつてそこにいた私の役目は気配を消し、隠れて少女を見守り、そして境地に立たされば駆けつける役だ。だが、いくら気配を消して隠れてもミリアに発見されて抱きつかれてしまうのが悩みのタネだ。
私の名前は………アンゼシカ・ヨハーソンだ。クロフォード王国の女王陛下であり、少女ミリアを追放して陛下になった悪役令嬢である。ラスボス回避の為、周りの仲間達にバレないように今はマスク・ド・aとして名前を変えている。
(ミリア…………そう、私は………)
思い出した。仲間の名前は戦士のアレックス、魔法使いのデビッド、盗賊のサウル、執事のロメロ。そして竜少女のリトルウィング。
最後、私は車に激突されて死んでいる。確か、会社帰りにこのゲームを買った時、赤信号の時に横断歩道に出たからだ。
───私の帰らなければならない世界、それはここではない………。私がここに来たのは試練、そこで私は光の球を手に入れる為、黒幕であるラスボスのDiablosを倒す為、そしてミリアを助ける為、(アナタは誰を思い浮かべるか?)をこっちの世界で見つけなければならない。
(ミリアさん………そうね、私の帰るべき所は………)
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