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第289話 真の試練Part43





 しばらく部屋でくつろいでいたら、母親から風呂の準備が整った知らせを受けた。真美は絵葉えばに忠告するのである。


「アンタは私の最後、入って来ないでね?」


「了解しました………」


 絵葉えばはビシッと敬礼し、了承した?。そして真美は、少し心配する様子でタンスから着替えを持って階段を降りて風呂場に向かう。


 ★★★★★★


 浴室内には湯気がモクモクと充満。

 真美は風呂場でシャワーを浴び、何かを思い浮かべるようにタメ息を吐いていた。雨のように降り注ぐシャワーの湯に当たり、リフレッシュして気持ちを整えていたらこれまでの思い出が浮かび上がる。


(まさか、また友達を作るなんてね………ちょっと変な子だけど?)


 真美は振り返る。絵葉えばとは最初、学校の帰りにレンタルビデオ店に寄り、そこで彼女と出会って。変なテンションで、変な言葉を言う子で、彼女えばがボケたら私がツッコミを入れる関係が出来て………それからいつも1人だった屋上の隅っこで一緒に昼御飯を食べて、帰りはアーケード街で寄り道したり、まるで中学生の頃に戻ったかのような感じだ。


 その後は色々あったけど………友達とはこんな感じなんだと思い浮かべる。けど、卒業したら皆はバラバラになり、考えが変わるのは仕方がない。それは知っていたが、絵葉えばとの関わりにより、それは理解出来るようになった。今はもう、元友達を責めるつもりはない。


 そのとき真美は表情を緩め、後ろに向かって口を開く………。


「ま、アンタには色々と感謝はしているけどね?」


「おや?気配を消したつもりでしたけど、せんぱいにしては、なかなかやりますね?」


 と、真美の後ろにはタオルで全身を巻いた絵葉えば。こっそりと入って来たのだ。ま、彼女えばは私の言い付けを守った事はない。


「入って来ないでって言ったけど………良いわ、一緒に入りましょ」


「ここは裸の付き合いって事で。せんぱい、背中を洗いますよ?」


 絵葉えばは言う。


「もう、身体は洗ったから………次はアンタが洗いなさい」


 真美はシャワーから離れ、湯船に入る。


 絵葉えばはシャワーから湯を流して浴び、そしてゴシゴシとシャンプーで髪を洗う。


「せんぱい………」


 絵葉えばは口を開く。


「どうしたの?」と、真美。


「せんぱいは、毎日が楽しいですか?」


「何よ急に?」


「こんな毎日が続けば良いのにって思いませんか?」


「アンタは私といて、楽しくないの?」


 真美は尋ねる。すると絵葉えばはシャンプーを洗い流し、湯船に浸かる。


「そんな訳、無いじゃないですか?私はせんぱいといて、楽しいですよぉ~~~」


 絵葉えばは風呂の中、真美にすり寄る。




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