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第285話 真の試練Part40




 

 喫茶店にて、私は彼女えばの左頬に付いたパフェのクリームを指ですくい、ぺろりとなめる。


「この間のアイスのおかえしよ」


 と、真美は一言。


「せんぱぁ~~~い?………」


 絵葉えばはぷくぅ~~と、頬を膨らませる。


 2人はじぃ〜〜と、テーブル席で向き合い………。


 あはははははは………。


 何故かおかしくなって笑い合う2人。何気ない喫茶店での食事、中学生の頃はファミレスで友達同士で何気ない会話で盛り上がって笑っていた時を思い出した。


 それから数時間、私(真美)は絵葉えばと色々と楽しんだ…………。彼女えばのエキセントリックな言動に振り回され、その度に私がツッコミの一言を浴びせるのが決まりだ。それが先輩後輩ではなく、彼女えばを友達として楽しかった。


 ★★★★★★


 夕方、住宅街の河川敷にて真美と絵葉えばは並んで座り、夕焼けの太陽を眺めていた。カラスの鳴き声が響き渡り、心地よい疲労感。


「今日は楽しかったです、せんぱい………」


 絵葉えばは感謝する。


「私も、アンタと一緒に出掛けて楽しかったよ。付きあってくれてありがとう」


「せんぱい………」


「何よ?」


「この河川敷に来たって事は、アレですか?恋人同士が熱いキスを意識して、私を連れて………」


 絵葉えばは恥ずかしい表情を浮かべ、両胸を隠す。


「アホか?………少し疲れたから、河川敷は休憩する場所として落ち着くかなって………」


 真美は説明した。


「せんぱい、私は心の準備は出来てます」


 絵葉えばはキスの体勢を整え、瞳を閉じて口を真美に向かって突きだす。


「だ・か・ら………アンタは勘違いするんじゃないのっ………」


 真美は絵葉えばの両頬を片手でガシッと掴み、ツッコミの一言を浴びせる。


───そして、2人は夕方の河川敷を眺め、沈黙。じきに夜になり、日が暮れる。心地よい疲労感により2人は喋るネタが尽きてしまった。


 すると真美は絵葉えばに向いて口を開く。


「あのさ?………アンタ今日さ、ウチに泊まっていかない?」


 真美は言った。


「えっ?」


 真美思いもよらない言葉に、絵葉えばは思わずビックリした声。

 

「ほら、今日はもう遅いし、もしアンタが良かったらだけど?」


 真美は提案する。絵葉えばに勧める理由、それは雰囲気の流れである。せっかくだから部屋で一緒にパジャマパーティーをしたいし、色々と話をしたい。


「もしかしてせんぱい?部屋で2人きりになって先輩後輩の立場を超えた禁断の恋を………」


「やっぱり前言撤回」


「ウソウソ、冗談です。せんぱい、今日家に泊まらせて下さい………」


 いつもの冗談を撤回し、絵葉えばは改めて真美の宿泊の提案を受け入れるのである。



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