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第280話 真の試練Part35





 1週間後…………。


 私(真美)はいつもの住宅街の通学路を歩いていた。通学路を歩いているのは小中学生の生徒、他校の生徒。そして通勤している会社員やOL。その光景は、平和そのものである。

  

───すると。


「せんぱいっ」


「おはよう………」


 いつものように元気に駆けつける絵葉えばに、真美は挨拶して合流。


 ★★★★★★ 


 1週間前…………。


「へぇ………断るんだぁ。アタシ達に弓を引こうっての?」


 竜崎良子はタバコを吹かし、醜態な表情を浮かべ、威圧する。


「私は、この子の友達でいたいです。そりゃ、この子は多少失礼な言動もあって普段は変なテンションでスキンシップしてくる子ですけど………私はそれでも彼女と一緒にいたいから………だから、ごめんなさい。竜崎さん………」


 真美は頭を下げ、謝る。


(せんぱい………)


 真美の真摯な姿勢に、絵葉えばはぼう然と立ち尽くす。せんぱいが自分に対する思いに、思わず涙を滴らす。


 すると竜崎良子は企みある表情を浮かべ、ケタケタと笑い出す。


「アハハハハハッ…………面白いよ山瀬ッ!!。いいよ、退いてあげる。実に良い友情劇を見せてもらったよ………その代わり、後悔するなよ」


 竜崎良子、そして他の2人も校舎裏から立ち去る。そして悪魔のような考えを働かせるのである、これからアイツをどうやってイビってやるかを………楽しみである。


 嵐のような事態が過ぎ去り………。


「せんぱい………」


 絵葉えばは真美に駆け寄る。

 

「ごめんなさい、私がもっとアンタに気づいていれば………」

  

 真美は言う………。すると絵葉えばは涙を流し、抱きついて訴える。


「謝るのは私です。私、自分を守る為にせんぱいには酷い接し方をしてしまって………」


 これまで、真美と距離を置いていたのは、竜崎良子達に(関わるな、さもなければ………)と、威圧された為、通学中に元気が無かったのは説明するまでもない。


「いいのよ、仕方ないから………」


 抱きつく絵葉えばの後ろ頭をスリスリと撫でる真美。


「せんぱぁ~~~い」


 絵葉えばはウルウルな瞳で見上げる。


「泣くんじゃないの………。あと、アンタには少し付き合ってもらうわよ」


 真美は言った。少し思った、ちょっとカワイイ………。思わず真美はポッと頬を赤くしてしまう。


「えっ?」と、絵葉えば


 すると真美。スマホを取り出し、スマホ画面を見せる。動画として録画されているのは、この場所にて竜崎良子達が絵葉えばに対して行っていた非道の数々。真美のスマホは高性能な機種、ブレもなくしっかりと録画されていた。


「生徒指導室、アンタの証言も必要だから………」


 



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