第278話 真の試練Part33
───絵葉は覚悟を決め、瞳を閉じるのである。大好きな真美と関わらないなら、こうして可愛がられた方がマシである。
そして、絵葉は過去を振り返る。私は小中学生の頃は引っ込み思案な性格で、友達が出来ずにいつも1人だった………。それから高校生になり、レンタルビデオ店で真美と出会って………。家で愛読しているライトノベル小説の中にて…………。
たいちょ〜〜〜〜。
ヨシヨシ、君は甘えん坊だな………。
───百合表現のあるファンタジー系ライトノベル小説の中、とある軍隊の騎士隊長と部下のやり取りを読み、自身を一新する決心した。
★★★★★★
アレ?タバコを押し当ててこない………。様子を見る為、絵葉は瞳を恐る恐る開くのである………。
竜崎良子は、そして他の2人も唖然としていた。何故なら。
「…………やめ………なよ」
後悔を覗かせる表情を浮かべる口調、竜崎良子のタバコを持つ手を握っているのは、山瀬真美。
「せん………ぱい?」
絵葉は弱々しく口を開く………。
「山瀬、止めるんじゃねぇよッ!!」
松田志穂里、竹田奈緒は激高した。
「…………これは良くない事ですから。その………」
準備しないまま駆けつけた為、言葉が思いつかない真美。
「勘違いするなよ山瀬、アタシ達はコイツを指導しているんだよッ!!」
正当化を主張する竜崎良子。
「…………やっぱり、後輩にそんな事をするのは、ダメだと思います」
真美は言った。しかし、気持ちは恐怖で震えていた。本来の自分はこんな行動はしない。そして何より彼女の恐ろしさに、敵に回したらどうなるかを………さらば、平和なボッチな学生生活。
「せんぱいッ!!来てはいけないですッ!!」
絵葉はここから逃げろ。と、訴える。
すると真美は拳を握り締め………。
本当は関係ないのに、人とは関わらないハズなのに、ずっと一人ぼっちでいる予定だったのに………友達なんて作らないと思っていたのに………と、言う憤りを沸騰させる。
「うるさいッ!!アンタを放っておけないに決まっているでしょうッ!!」
真美は吐き出すように言った。
「せんぱい?…………」
思わず絵葉は真美の言葉に圧される。
「勘違いしているようだけど、アタシ達はアンタを助けたくてやっているのよ。いつもアナタがこの子に馴れ馴れしく接して迷惑してそうだからよ………」
竜崎良子は親切に説明。
「その、迷惑なんて………」
「それで提案なんだけど?山瀬さ、コイツを放っておいて、アタシらと友達にならない?」
竜崎良子は提案する。
「友達に?アナタ達と?………」
真美は竜崎良子の提案に、揺らぐ。
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