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第273話 真の試練Part28





 そして、それから昼休みまで授業を行い、いつもの屋上に向かうのである。あの雰囲気からして、あのえばは来ないだろうかと、心の何処かで思っていたが………。


「アンタさ………」


 真美は座り、口を開く。彼女は来てくれた。別に1人でも構わないが、屋上に来てくれた事に何処か安心する自分がいる………。


「どうしたのですか、せんぱい?」


 絵葉えばは学生用カバンからコンビニで買った焼きそばパンを取り出す。


「いや、何かあったかな………と、思ってさ」

    

 すると絵葉えばは。


「せんぱいは、私を心配してくれているんですか?。残念、私には何もありませんよぉ」


 絵葉えばは言った。何処かキレのない姿勢、すると真美は絵葉えばが履いている上履きを見て思い、口を開くのである。


「アンタ、上履きを変えたの?」


 真美は言う。彼女が履いている上履き、それは新品だからだ。私が休む前は汚れていたが、今日は新品の上履き、触れる程度の違和感。


「今日の帰りに………上履きのゴムヒモが切れてしまって、取り替えてもらったんですよ」


 絵葉えばは答えた。


「そうなの………」


 ゴムヒモが切れた。普通の理由だが、絵葉えばの答えに、真美は納得するしかないが、納得が出来ない事はある。今朝の絵葉えばの様子や上履きが変わる。少し考え過ぎなのか………。


 彼女がどうなろうか、私には関係ないのだが………。


「せんぱい、今日は何か少しお節介な所がありますよ?」


 絵葉えばは焼きそばパンを食べながら言う。


「別に、アンタにお節介をしている訳じゃ………」


「せんぱいはアレですか?いつも私にツッコんでいるから色々と突っ込む性格ですか?」


 絵葉えばは言ってくる。


「そんなつもりはないわ、ただ少し気になったと言うか………」


 弁当を食べながら話す真美。


「せんぱいは、突っ込む事が好きなのですね?」


「人をそんな変なモノに例えないの………」


 真美はツッコミの一言。


「そうです、せんぱいは私の愛情表現にツッコミを入れてこそ、活きるモノなのです」


「またアンタは………」


 真美は呆れた表情でタメ息。


「だからせんぱい、私にもっとツッコミを入れて活きて下さぁ~~~い………」


 絵葉えばは企みある笑みを浮かべ、襲いかかる体勢を整える。


「いつものアンタに戻ったわね。心配をして損したよ」


 真美は言った。いつものコイツ(えば)、少しは安心した様子で………。しかし、絵葉えばは少し控えた様子だ。


 そして、昼御飯を終えて屋上を後にして絵葉えばと別れ、教室に戻る途中。ふと、真美は廊下のゴミ箱を見て、(ある物)を見つけた。


「これって………」


 入っていたのは中谷絵葉なかたにえばと書かれた上履きである。




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