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第272話 真の試練Part27



 


───次の日。昨日の頭痛、熱、倦怠感がまるでウソのように………。体調不良が治り、今日から登校するのである。


「せんぱい、昨日はどうしたんですか?」


 いつものように、通学路で合流した絵葉えばに尋ねられる。


「風邪で体調を崩したのよ」


「大丈夫ですか?」


「昨日、しっかり休んでいたら治ったからね………」


 真美は何気ない言葉で言う。


「そうですか………」


何、この感覚は………。と、真美はふと違和感。


「ねぇ、アンタ何かあったの?」


 私(真美)は尋ねる。


「何がですか?」


「いや、いつものアンタらしく、何か元気がないかなと思ってさ………」


 真美の言葉に、絵葉えばはいつものハイテンションな様子を引き起こし。


「何を言っているんですかぁ?せんぱい〜〜、もしかして、私に触られたいんですかぁ………」


 絵葉えばは企みある笑みを浮かべ、両手を掲げ、ワシワシしてくる。


「やめなさい」


 と、真美は軽くチョップ。しかし、どこか違和感を感じる。さっきの絵葉えば、何かを誤魔化しているような切り替えだ。


───それから………絵葉えばは何も話さない。2人は何気ない雰囲気で通学する。いつも通学路を行き交う学生、会社員、朝から皆はそれぞれの気持ちを胸に、通勤通学をするのである。


 下駄箱にて………。


「じゃあね~~~~」


 絵葉えばは1年生用の下駄箱で上履きに変え、自分のクラスに向かって走る。


「何か元気無かったな………」


 私(真美)も、2年生用の下駄箱に上履きに変え、自分のクラスに向かう。


 そして………下駄箱の影から真美をヒソヒソと眺め、何か嫌な達成感を果たしたような笑みを浮かべているのは女子3人組。竜崎良子、松田由紀恵、竹田奈緒の3人だ。


 ★★★★★★


 教室にて、真美は誰にも挨拶される事はなく、着席するのである。私(真美)が体調不良で休んでも、クラスの生徒は誰も尋ねては来ない。そんなモノなんだ、私は………。次々と教室に入って来るクラスの生徒達、元気に挨拶する生徒達にかつての私が思い浮かぶ。中学生の頃、いつものように友達と合流して、教室に入ってクラスの生徒達に元気に挨拶をしていた。しかし、今ではそれすら出来ないし、する気も起きない………。


 クラス中、HRホームルームが始まるまでは元気に笑い合う生徒達。朝からどうしたらそんなに元気になるのか………。と、思いたくなるがどうでもいい。

  

 私(真美)は机に座り、考えていた。


(今日のアイツ、何か変だったな………)


 真美は窓から眺め、今朝の絵葉えばの表情を考える。尋ねたらいつものテンションに切り替えたが、何処か誤魔化しているような………。




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