第271話 真の試練Part26
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金髪の少女は、興奮した様子で抱きついて来た。場所はとある酒場、テーブルには仲間であろうか、赤髪の戦士の男と緑髪の魔法使いの男、そして茶髪の盗賊の少年、黒髪の男性執事が座り、金髪の少女の行動に呆れる。もう1人、酒場に現れたのは桃色の髪をした少女。
■■■■■ッ!!
少女は赤髪の男性戦士に抱きつき、スリスリしている。
誰だこの人達は?…………。
分からない感覚、ここにいる人達は誰だろう。と、思い浮かべる。しかし名前を思い出し、浮かべようとするが思い出せない。頼りになるのは感覚、何処か見覚えがある感覚である………。時に彼等と衝突し、様々な状況や困難を共に乗り越えて来た。そんな感覚だった。
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───そして、時間切れ。と、言わんばかりに夢の中から覚める。
(夢か…………)
不思議な夢だった………まるであれがもう1つの現実だったような………しかし、アレは何だったのだろうか…………。私(真美)はいつものにベッドから起き上がろうとする。
「あれっ………」
フラフラになる私(真美)。身体中が熱くて重い倦怠感を引き起こし、沸騰するのではないか………と、頭が痛い。昨日の雨で身体を冷やしてしまい、それが原因で風邪をひいたらしい。
何とかして部屋を出て、フラフラになりながら母親に説明した………。
★★★★★★
「熱は38度5分。アンタ、大丈夫?」
母は私(真美)の脇に体温計を差し、計る。そして安否を尋ねる。
(身体が熱い………頭が痛い………)
私(真美)はベッドの布団を被り、額に熱冷ましの湿布を貼っていた。昨日は体育、極めつけは雨に濡れた事による体温の変化だ。
★★★★★★
(何もやる気が出ない…………)
私(真美)はベッドで寝ていた。体調不良で何もやる気が出ない。ただひたすら時間が流れていく………。思い浮かべるのはアイツ(えば)の事だ、いつもは登校していると合流して、エキセントリックかつセクハラ紛いのスキンシップで困らせてくるのだが、今日は私が休みだから、どうしているのだろうか………。と、心配になる。
あの子は私とは違い、コミュニケーション能力が高く、人とはすぐに関われるだろう。これを機に、私(真美)から卒業し、新しい友人関係を築いていく事も祈る………。
(少しだったけど、アンタとの日常は楽しかったよ………)
と、私(真美)は思い浮かべるのである。寂しくはない、ただいつもの一人ぼっちの日常に戻るだけだ。
お試し期間は終わり、私はあの子が友達が出来るまでの練習台、そう言い聞かせる。
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